サモエドLUFT大研究

先住のサモエド犬ノイを胃捻転で失い、その直後に偶然から出会ったノイと同じ誕生日のサモエド、2007年2月27日札幌生まれのルフトと、持てる知識をフル動員して良い関係造りにはげんでいます。

PAWFECTファンマッチ

いよいよPAWFECT主催のファンマッチ開催日が迫ってきました。

委員一同準備に大わらわです。

PAWFECTはポーフェクトと読みます。
肉球のPAWと完全を意味するPERFECTを組み合わせた造語で、しいて言えば「完全なる肉球」といったところでしょうか。我ながら結構お気に入りのネーミングです。

フリースタイルは愛犬と何かをしたい方には本当にお勧めのアクティビティです。
老若男女、大きな犬、小さな犬。若い犬から老犬まで。
それぞれのペアでできることをすればいいと思います。
音楽に合わせて楽しむことが何より大事です。

でもそのためには愛犬との深いコミュニケーションが欠かせません。
結局しつけだろうがドッグスポーツだろうが、あるいは何もしない家庭件だろうが、ベースとなるコミュニケーションには何ら変わりはないからです。

今回のイベントはお仕事ではないので、自分でも運営を楽しむつもりですが、だからこそかえって大変です。仕事のイベントでは持ち出したことがないほどに大量の機材を持ち込みます。
少しでもよい音で音楽を流したい。

自然光の入る会場ですが、よりきれいに見えるようにできるだけ照明も入れたい。
控え室でも様子が見られるように専用のカメラとモニター画面をセットしたい。

記録のDVDもわざわざ群馬からプロのチームに来ていただき、2カメ体制で終日撮影してもらいます。
CATVの取材カメラも入るので、当日はもしかしたらビデオカメラだけで5台入るかもしれません。

そしてスチールカメラは業界の大御所、岩井猛さんにおねがいしました。
きっと素晴らしい写真を撮ってくれると思います。

今回WCFOの創設者であるパティ・ベンターさんを招いて日本初の公認競技も開催することになりました。
WCFOの公式な記録に記載され、ポイントが得られるのでエントラントも真剣になることでしょう。

一方でやっぱり楽しくなければということで順位をつけないエントリークラスと、その上のPAWFECTクラスも開催します。むしろどちらかといえばこちらがメインイベントです。

で、順位はつけませんが参加者の演技をジャッジが評価します。
この評価にはスパイダーチャートを導入しました。
クモの巣状のグラフによってご自身の得意と苦手の傾向が一目でわかるというチャートです。
scoresheet.jpg

まだまだ実験的な試みなので完璧ではないと思いますが、委員たちは頑張って少しでも有意義なイベントにしようと日夜額に汗しています。

参加される皆さんが楽しんでもらえることを願っています。
そしてご興味のある方にはぜひPAWFECTに入会していただき、そして一緒にフリースタイルを健全に広めていくお手伝いをしていただければと思います。
  1. 2009/11/03(火) 17:47:46|
  2. K9フリースタイル
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エサで釣るとロクなことがない(誘導への警鐘)

ある意味、10年ほど前から「陽性強化」という呼び方のトレーニングを習ってきた方たちは、「誘導世代」と呼ぶべき独特なゾーンにいます。

オスワリと言いながら胸にこぶしを当てる方々をよく見かけますが、まさに「誘導世代」の特徴です。
おそらく相当苦労してこられたことと思います。

「誘導」は行動を引き出すための超強力なプロンプトです。

なぜ超強力なのかといえば、犬が何も考えずとも行動できるからです。

良くできたカーナビに従って車でどこかに行くのと同じ、あるいはそれ以上に楽でしょう。

プロンプトとして超強力なだけに、行動はすぐ引き出せるわけです。


でも、この「フードを使った誘導」、言い換えればエサで釣るトレーニングは極めてリスキーで、効率よく用いるには実はかなり高度な知識と判断力が必要なんです。

こういった強力なプロンプトを用いると犬がほとんど考えないので、そのままでは全然学習してくれません。
何度も何度も繰り返していくとやがては覚えてくれるんですが、その時には完全にそのプロンプトがキューになっているわけです。
手を大きく回して誘導するヒールポジションなんかが最たる例です。

だから本来プロンプトは引き揚げなくちゃならないんでが、もうキューになっていると引き揚げられないんですね。

それを避けるためには注意深く犬を観察し、わずか数回で誘導をやめるくらいのプログラムを実践しなければなりません。
わずか数回といっても、それが速すぎれば行動は消えますから、犬が「こんな感じかなぁ」と思い始めたところで巧みに抜いていくというメカニカルスキルも求められます。

誘導をちゃんと使おうとしたら実はとても難しいわけです。
だから初心者には勧められません。かなり勉強した人だけが上手に誘導というプロンプトを使いこなせるんだと思います。


また犬が緊張下にある場合、例えば知らない場所、知らない人たち、知らない犬といった刺激の中で、いつものキューが効かないからとすぐにフードによる誘導を行うケースも良く目にしますが、これも最悪の事態を招くことが多いです。

ただでさえ気持ちが高ぶり落着きを失っている状態で強力なフードを出したらどうなるか。

そのために冷静になれるのか、それともさらにエキサイティングな事態になってしまうのか。結果は明白です。
犬はまともに考えることもできなくなってただ吠え続ける。あるいは極度に落着きを失い、ヒステリックに動き回ったかと思えば必死でフードを食べようとするなど、めちゃくちゃな行動になっていきがちです。

バリアフラストレーションという言葉があります。動きを束縛される際に起きる葛藤です。ケージの中でも起きるし、部屋の隅に追い詰めてもそうなります。リードを張った状態ではかなりバリアフラストレーションを犬に与えてしまいます。
そしてそんな状況下でのフードによる誘導は、それに近い「拘束されるフラストレーション」を受けてしまうんですね。

仮に何かを学習したとしてもエサに釣られているわけですから、人との絆とは程遠い状態です。逆に言えば誰のエサにも釣られるでしょう。
そしてエサがなければ何もやらない、というのも当たり前です。フードを持つ手がキューになっているのだから、犬にとっては「エサがない」 = 「キューが出ていない」に等しいわけです。

学習は遅れ、正しいキューは伝わらず、慣れない環境では余裕を失ってしまう・・・

まさにエサで釣るとロクなことがありません。

もちろん私もフードによる誘導を用いる場合があります。それは主に【管理のテクニック】としてであり、リードで管理することと同じ目的においてです。
リードさばきと同様にフラストレーションには注意しなければなりません。

一方タレント犬トレーニングなどでは、手っ取り早く行動を教えるために誘導とクリッカーと声掛けなどを同時に行う場合があります。
プロンプトだらけにします。

この場合はかなり犬に集中し、いつどのプロンプトを引き上げるか、あるいはどのプロンプトをキューとして残すか、どのプロンプトをすり替えていって新たなキューにつなげるかなどを考えながら、1分間とて同じメニューを繰り返えさないような、いわば刻一刻と変化していくバリアブルトレーニングをしてくわけです。

だからこそタレント犬トレーニングは面白いともいえます。

また普段のトレーニングでも、「エサで釣る」ことは避けますが、だからと言ってフードを使わないわけではありません。むしろフードは多用します。

それは「報酬として」です。
報酬ですから後出しです。
これは決してキューになりません。
もちろんプロンプトにもなりません。

厳密には準備の段階で犬がそれを察しトレーニングモードになる可能性はあります。
しかし、ここでテーマとなっているのは新しい行動を形作ることですから、フードが具体的な行動のプロンプトになっていない限り弊害はありません。
むしろこれから何かが始まる期待感を持たせることができるでしょう。

こういった理屈は説明を聞けばなるほどと思ってもらえるのですが、誘導のトレーニングは簡単で分かりやすいので、ついついやってしまいがちな罠であるともいえます。

クリッカーが素晴らしいのは、そういう罠から遠ざかれること。
誘導に毒されずに犬のトレーニングができることにあります。

これからしつけを学ぼうとしている方がいらっしゃったら、ぜひ誘導は後回しにして犬の自発性を引き出すトレーニングから始めてください。

オスワリやフセ、オイデなどは誘導よりクリッカーのほうがずっと簡単に教えられます。
失敗もなく、犬も楽しく学べます。

まずクリッカーを学んでください。
そして原理を理解できたら報酬によるトレーニング全般に広げていきましょう。

誘導テクニックは管理の手法として後で学びましょう。

さらに「新しいことを教える」ことと「教えたことをいつでも実行してもらう」トレーニングの違いを認識し、これらを上手に使い分けていただければ、現在考えうる最も効率的な模範的トレーニングになると思います。

犬は忍耐強いから、私たちのわかりにくくて遠回りなトレーニングにも付き合ってくれますが、人道的かどうかといわれれば、余分なストレスをかけているわけですから、誘導はあまりほめられたものではありません。
キャシー・スダオは「誘導は強制訓練だ」と言い切っています。

その言葉、科学的なトレーニングを目指すものなら、重く受け止めようではありませんか。
  1. 2009/11/02(月) 16:14:53|
  2. ルフトとの生活
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あらら?本当のクリッカーの使い方?

YouTubeを見ていたら「本当のクリッカーの使い方」というタイトルに目が行きました。

常日頃、クリッカートレーニングの真実を探求している私としては見逃せないタイトルです。

で、さっそく見てみたら・・・・・・・



そこに映っているのはなんとわが愛犬のルフト!

そしてクリッカーを鳴らしているのはえぢまま。

で、解説しているのは私でした。

これはおそらく名古屋で開催したクリッカークリニックだと思いますが、知らない間に公開されていてちょっとびっくりです。



ご紹介いただけるのはありがたいのですが、断片的な情報というのはどうしても間違った模倣をされがちです。
情報を正しくお伝えするために「EZクリッカー」というDVDも販売しています。

でもできればちゃんとフェイス トゥー フェイスで学んでいただければ一番嬉しいです。
  1. 2009/10/31(土) 19:27:30|
  2. トレーニング
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Three Amigos - 3頭の仲間たち

以前下見で訪れた、とあるプライベートビーチでルフトとえぢ、もねが遊んでいる様子をYouTubeにUPしました。

こういった場所では本当に楽しく遊ぶ3頭ですが、遊び方は時に非常に激しく、ちょっと見には獰猛な感じさえ受けると思います。
こういった行動では、特に犬たちの目を見ていただきたいのですが、実にやさしい、幸せそうな眼をしています。

そもそも遊びとは何でしょう?

基本的には大人になるためのリハーサルが遊びの原点です。
そしてそういったプログラムにはドーパミンが出る、つまり楽しいわけです。

ではなんで10歳になっても犬は遊ぶんでしょう?

犬の脳の成長はオオカミと比べると、およそ4カ月齢程度で止まってしまうんだそうです。

それは一面からみると、いつまでも大人にならない動物である、ということが言えると思います。

ではなぜ大人にならないんでしょう?

それは人間がそう望んだからです。

1万5千年前に人と暮らすことを自ら選んだイヌ属は、種の生き残りをかけてヒトに気に入られるよう自分のデザインすら変えてしまった歴史があります。

当然性格も子犬のままでいて欲しいと願う人間に合わせて、その進化の過程でおとなになることをやめてしまった、言い換えればおとなになる必要がないと判断した、というのは想像に難くありません。

そんなわけで多くの犬は生涯遊ぶことをやめないのです。

ただ えぢ、もねも遊ぶことが減ってきてはいます。
こんなに気持ちのよい天気で、広々した場所、飼い主も一緒という条件がそろうと映像のようにはじけるわけです。

ぶっちゃけ、飼い主冥利に尽きる一瞬ですね。

  1. 2009/10/30(金) 19:17:22|
  2. ルフトとの生活
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パートナードッグプロジェクト

すでに5年目に入っているパートナードッグプロジェクトは、法務省から直々のご依頼でスタートした少年院におけるドッグトレーニングのカリキュラムです。

これは複数の施設で試験的に行われているのですが、今日はそのうちの一つに久しぶりにルフトもお手伝いで参加してきました。

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このパートナードッグプログラムについては詳細をお伝えできませんが、参加したルフトは終始ご機嫌で、トレーニングを楽しんでいました。
そしてそこにはルフトが幼いころから知っているアイツがいます。
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そう、月からの使者(?)ルナです。
お正月はいつもルフトと一緒だったルナ。そしてパピーのころは先代のノイを父親代わりに一緒に育ったルナです。
もうすぐ5歳になるルナですが会うたびにいい子になっていて、本当にうれしいです。
そして今日はルフトとも上手に遊んでくれました。

犬との暮らしやトレーニングを通じて、あるいは犬同士のデリケートなコミュニケーションを観察して、子供たちに何かを感じ取ってもらえることを、関係するスタッフはみんな願っています。

願いがかないますように。

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  1. 2009/10/29(木) 21:08:34|
  2. ルフトとの生活
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横浜でやります

来る11月12日(木)午後1時から6時まで、急きょクリッカークリニックを開催することにしました。

クリッカーに興味ある方のご参加をお待ちしております。

プロでもアマでも歓迎です。

犬連れも見学も大歓迎です。

素朴な質問、難しい質問も大大歓迎です。

クリッカーで熱く燃えてみませんか?(笑)

日本で一番とんがった、クリッカーの理論、ご紹介しますっ!
  1. 2009/10/27(火) 00:12:52|
  2. トレーニング
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クリッカークリニック

名古屋でClicker Clinic(クリッカークリニック)というワークショップを行ってきました。
これは、クリッカーについて正しい知識を持っていただくことを目的に、使ってみたけどうまくいかないという方、何となく壁に当たってしまっている方、そして導入を検討しているけど、いろいろな不安と疑問がある、という方のための企画したワークショップです。

何よりも韻を踏んでいるタイトルが気に入っています(自画自賛・笑)

そしてそれぞれのお悩みにこたえる形でクリッカーを説明できるので、とてもやりがいがあってついつい力を入れてしまいます。

最新のクリッカートレーニングは科学的な情報をもとにした近代的犬のトレーニングの集大成です。
全てがここに凝縮されています。

では私は毎日ずっとクリッカーで愛犬をトレーニングしているのかというと、それほどにはクリッカーを使いません。
必要なところだけちょこちょこっとクリッカーを用いる程度です。一つの目的に向けたトレーニングでも、クリッカーを使ったり使わなかったり、織り交ぜます。
そういう意味ではハイブリッドなトレーニングかもしれません。

ですがクリッカートレーニングの真実を知ることは極めて重要だと思っています。
クリッカーを究めればすべてが見えてくるからです。

感情と科学を切り分けるのに最も適しているのもクリッカートレーニングです。

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これからも全国各地でClicker Clinicを開催し、「知りたい方のためのお手伝い」をしていきたいと思います。
また呼んでいただければ駆けつけます。
ぜひ私たちと一緒にクリッカーを究めてくださいね!
  1. 2009/10/25(日) 22:45:32|
  2. トレーニング
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どれだけ犬にわかりやすいコミュニケーションをとっているか

犬に話しかけるのはいいことです。
ずっと話しかけていると、犬には意味は分かりませんが、安心感が得られると思います。

でも、もしもそこに、時々犬へのキュー(指示)が入っているなら、それは犬にとって迷惑な話です。

雑談だけなのか重要なメッセージが含まれているのか・・・。

メッセージを伝えるのなら、それは相手にとって、もっともわかりやすいメッセージを人間側で心掛けるべきです。
おしゃべりの中にキューが入っていれば、犬はずっと緊張して9割方理解できない言葉を辛抱強く聴き続けるか、それとも中に入っているキューを拾うのはあきらめてしまうでしょう。

ところで犬の名前はどう使うべきでしょう?
犬には個体識別の信号とはなかなか理解できないと思います。
ただ単にその信号の後には自分にかかわる出来事が多いという学習でしょう。
だから名前の後にいいことが多ければ二次強化子的な意味合いになりますが、いやなことが続けば名前イコール警報になってしまいます。

で、名前をどう使うかなんですが、これはずばり「これからキューを出すぞ」という意味であるべきです。
アテンションをとる際に使う合図です。

通常それはアイコンタクトという形で要求することが多いと思いますが、できれば意識をこちらに向ける、という意味に集中したほうがいいと思います。
たとえばタレント犬や犬ぞりのトレーニングでは、名前を呼んだときに意識はこちらに向けてほしいけれども目を見て欲しいわけではないからです。日常生活でもお散歩中などは目は自分の進路に向けて安全を確保させるべきですね。

とはいってもアイコンタクトが欲しいときもあります。競技会やフリースタイルなどでハンドラーとの良い関係をアピールしたい時などです。
実際には信頼し合っていても犬同士は見つめ合いません。チラ見はしますがじっと見つめあうのは威嚇のときだけでしょう。
でもやっぱり見つめて欲しいという時には専用のキューがあると便利です。私は「ミテ」を使いますが、同時に「ツイテ」は横に付くだけ、「ヒール」はアイコンタクトを伴う、とちょっとずつ意識付けしています。

脱線しましたがそんなわけで、これからキューを出すよという時には名前を先に呼ぶことをルールにしましょう。
それだけで犬は分からない言葉の中からキューを探し出す余分なストレスから解放されます。
したがって名前を呼んだ後はわかりやすいキューだけを出し、そしてちゃんとフィードバックを返します。合っているかそうでないかのフィードバックです。


今、台湾からの留学生セナが来ています。
彼女はとても優秀で日本語もかなり理解します。でもしゃべるのは大変なので、日本語で質問された際にもできれば英語で答えたいそうです。
これ、本人には失礼な話だけれども、犬とのコミュニケーションにとても参考になるエピソードです。
犬は私たちのキューを理解できます。でも答えるのは行動によってか、ボディシグナル、あるいはヴォーカリぜーション、つまり吠えることです。

それからいろいろな人がセナに日本語で話しかけているのを聞いていると、中には上手にセナに理解しやすい単語と話し方を選んでいる人がいます。そういう人はきっと犬にもメッセージを伝えるのが上手だと思います。
私も英語の人たちに接するとき、非常に分かりやすい英語を話してくれる人とそうでない人がいて、これは思いやりという話ではなく、「相手に伝わるコミュニケーション」がうまい人とそうでない人の差なんだなぁと思うわけです。
テリーさんはその最たる方です。相手にわかる話し方と言葉を選べる方です。

英語をゆっくり話してください、というと単語をゆっくり発音できる人は上手。そうでない人は単語の発音は普通の速度で、間だけをたっぷりとります。

みなさん是非、犬にもわかりやすいキューやサインを出してあげてくださいね。

それから犬が間違えた行動をしたときについつい「○○じゃなくて」というような非定形の言葉を発してしまう人がいますが、非定形の言葉はおそらく犬には全く分からないでしょう。
むしろ「じゃなくて」は理解できないけど、その前の「○○」なら聞いたことがあるから、さらに間違えた行動を繰り返す可能性があると思います。

正しいフィードバックは、合っていたら「そう」とか「イイコ!」で、間違えていたら「チガウ」とか「アレ?」などです。

ちなみに「ダメ」とか「イケナイ」は、好ましくないとわかっている行動をあえて犬がした場合のメッセージです。それをしてはいけないという意味なので、恒常的なルールです。

一方「チガウ」とか「アレ?」は犬がうっかり間違えたときの、再確認を促すメッセージで、意味を理解した犬はすぐに行動をやり直すようになります。


どんなに愛犬がかわいくても、あるいはかわいいからこそ、私たちは愛犬にストレスフリーなコミュニケーションを提供してあげるべきだと思います。
  1. 2009/10/24(土) 00:55:29|
  2. トレーニング
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やっぱり「犬通」(INUTSU)

10月28日(水)と11月4日(水)の2回にわたって、横浜で「犬通」を開催します。
4部構成で最新の科学をベースにした情報をお届けするプログラムの「犬通」では犬の起源と歴史、犬の出すシグナル、犬が学習する仕組み、そしてそれらの応用による最新クリッカートレーニングをギュッと凝縮して2日間でお伝えします。

犬通Tシャツ

資格は取れませんがT-シャツがもらえます。冬でもT-シャツ・・・(汗)
でも本当にお伝えしたいことを凝縮してあります。
まず理論を理解してもらって、それからハンドリング技術を磨いていただくのが上達への最短コースであると思うから、私たちは「犬通」というプログラムを作り上げました。
価格もぐっと抑えて、少しでも多くの方に聞いていただければと思っています。
(お話ししていても犬通は楽しいんです)
http://www.dingo.gr.jp/schedule/inutsu/index_inutsu.html
  1. 2009/10/20(火) 23:19:03|
  2. トレーニング
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新しい学習は短時間で、反復練習は長時間で

犬のトレーニングを科学的に突き詰めていくと、いかにこれまでのトレーニングが「汗と根性と涙」に依存していたか思い知らされます。
ノイと競技会に出ていたころは、モチベーショナルトレーニングといってもかなり「汗と根性と涙」でした。

疲れて思考力のなくなったノイに強力なごほうびをちらつかせ、毎日3時間くらい練習していたと思います。
ずいぶん効率の悪いトレーニングをしていました。それだけノイにも負担をかけていました。

せっかくだからもっと効率のよい科学的なトレーニングを考えてみましょう。

091019.jpg

ではどんなトレーニングが科学的なのでしょうか?
もちろん一言では言いきれませんが、今日は脳の仕組みを踏まえた提案をさせていただきます。

まず新しい行動については、短時間集中で記憶のメカニズムを意識した教え方をします。
脳細胞は筋肉の6〜7倍カロリーを消費し、犬はすぐに疲れてしまいますから、やる気があっても、体力があふれていても、新しいことを教えるには短時間集中であることがとても大事です。

この時のポイントは

1.失敗を経験させないこと
 記憶の中に成功のイメージしか残さないためです。

2.時間をタイマーでちゃんと管理すること
 人間は管理されないとつい長くやってしまうからです。
 せいぜい5分で休憩を入れましょう。
 休憩中に行動の記憶が整理されるように、しっかり休ませます。

3.一つの目安として失敗がなく3回連続してできるようになったら学習が始まっています
 ただし失敗が1回入ればそこから20回成功を続けないと失敗の記憶が打ち消せません。

4.もちろん行動の上にキューまで乗せた状態です
 最初は行動、そして連続して成功するようになったら割とすぐにキューを乗せます。

5.行動の般化はこの段階で行ってはいけません
 まず行動そのものを覚えるのが先決だからです。

6.報酬をしっかり与えます
 魅力のある報酬、特に食べ物を与えます。引き上げを考えてはいけません。ランダムなんてもってのほかです。

7.エピソード記憶を意識してください
 印象的な事柄とセットだと学習はとても効率的になります。

091019-2.jpg

さて、これで行動を覚えました。
これはどんな状態かというと、

・キューを聞いたらそれが何を意味するかを理解し行動に移す

という感じだと思います。
つまり言われたことを考えて正しく、かつ自分にメリットが発生する行動を実行している段階です。
これ、自動車教習所で習う「目で判断してからブレーキを踏み、実際に止まるまでの空走距離」で説明されているように、キューから実行までにかなりの時間を要します。
途中に思考回路が入っているからです。報酬への期待も伴います。

さて、そこからのトレーニングは、新しいことを教えるプログラムとは考え方が全く異なります。
一言でいえば思考回路をバイパスし、キューを聞いたら無意識に反応する、いわゆるマッスルメモリー(筋肉記憶)に教え込むプロセスになるのです。

反射の領域に行動を移行させます。
これは思考回路をショートカットするのでキューを聞いたら自動的に体が動いてしまう状態です。迷いも出にくくなります。キューから行動までの「空走時間」も大幅に短くなります。
報酬への期待は後回しになります。

その時のポイントは、

1.ズバリ、反復練習です
 環境を整え、失敗せずに繰り返し繰り返し行います。

2.一番落ち着いてできる慣れた場所で行います
 単に覚えたての行動を無意識の反射にしてしまうプロセスなので、余計な刺激が無いほどいいです。

3.行動の般化は考えません
 まずマッスルメモリーに入れてしまいます。般化はそれから。

4長く続けます
 頭を使うのではなく、体を使うプログラムなので、失敗をせずに少し長く続けます。

5.疲れていても、眠くても行います
 ただし成功し、それに見合うだけの報酬が無ければなりません。

6.特に大事なのは、行動に対して報酬を出さないこと
 報酬は行動にではなくキューに反応したことに出します。

7.報酬は食べ物以外が良い
 反復練習で意欲が低下しがちですが、できるだけ報酬は楽しく遊んであげることや、穏やかに撫でることなど、飼い主からの安心感をベースにします。

8.意欲を低下させずに反復練習する
 コツが必要です。食べモノに依存せずにいかに意欲を下げないで練習を続けられるか。
 もちろん嫌悪刺激がベースの強制的なものであってはなりません。

眠くても疲れていても、不安な状況でも大興奮のときでも、反射による行動はモーターパターン並みに確実性が増します。
そしてそれは食べ物ではなく、モーターパターンの内的報酬に次ぐ「絆(きずな)」という強力な報酬がベースになります。
食べ物が捕食本能ベースだとしたら、絆というのは危機回避本能がベースの「行動を強化する因子」であるわけです。

体が覚えてしまった行動。キューを聞いたら無意識に反応してしまう行動は、極端にいえば環境の般化が必要ありません。いつでもどこでも寝ていても起きていても、キューが耳に届いたら、体が反応してしまうからです。

ぜひ基本的な動き、いざというときに犬の命を守るキューはこのレベルまでトレーニングしましょう。

ただし、無意識になった行動の修正、ルール変更はきわめて難しくなります。

だから困った行動は、何よりも繰り返させないことが大事なんです。引っ張りでも無駄吠えでも、無意識になったらなかなか治せないから、意識してやっている間に食い止めることが最優先です。

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 注) 上記の提案はあくまでも私の考えによるものです。科学的な情報をベースに組み立てていますが、絶対に正しいという保証はありませんのであしからず。 
  1. 2009/10/20(火) 01:40:27|
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