生きていれば16歳
一生懸命向き合って毎日暮らしていましたが、今思い返せば空回りやすれ違いも多かったノイとの生活。
まったりゆったり付き合っているルフトとどっちが幸せなんだろうって、いまだに答えの出ない疑問が浮かびます。
ほんとにいろいろやりました。毎日トレーニングもしていた。ノイはうんざりしていたことでしょう。
退屈とうんざり、どっちがいいんだろう。
最初はなにもわからなくて、片っぱしから情報を集め、少しでも詳しい人に会うと根掘り葉掘り質問していたあの頃。
やっとと言うか、遂にたどりついたテリー・ライアンさん。
思い切ってワンデーワークショップに参加したのはノイがまだ1歳のころ。時期は今頃だったような。非常に寒い時期でした。

外のトレーニングは初めて。そしてクレートにもあまり入れた経験がないまま参加したワークショップは散々なものでした。
「おやつ食べません」って主催者に言ったら、ゆでたレバーを持ってきて、それを使ったら集中が取れました。
でも非常に不安な中で出された非常においしそうな食べ物という状況は、とてもじゃないですが冷静さを保つことはできませんでした。
ノイには相当なストレスだったと思います。
ゴメンネ
犬にやさしい人道的なトレーニングを目指していたのに、かなり無理をかけていたと思います。
あれからずっと犬の勉強をしています。
ノイともその後、しつこいトレーニングの結果でもありますが、JKCの訓練競技会で理事長賞をいただくほどの成果を出せるようになりました。
ノイはもうただ淡々と仕事をこなすように、私の指示に従っていました。
幸せだったのかな。
一昨日ノイが夢の中に出てきました。
「ボクの命日忘れてるんじゃない?」
そう言われているようでびっくり。
忘れてはいなかったんだけど・・・・。
夢の中でも会えてうれしかったです。
そりゃルフトはかわいいんだけど、そして大好きなんだけど、
ノイは私にとって運命を左右するほどに、特別な相棒でした。
DOVE逝く
ノイとともに頑張ってきた仲間の一頭である。
初代タレント犬キャンプ参加者で、インストラクターになった頑張る飼い主の元、深い絆を築いていた。

実は先日行われた映画の撮影において、最も素晴らしい演技をした犬である。
ただ動かないだけの地味な役割かもしれないが、最も感動的なシーンを一発OKでDOVEは演じた。
その場にいた私は全身がしびれるような感動を味わった。涙が出そうだった。
一般の方には分かりづらいかもしれないけど、ものすごい演技だった。
私とルフトでは到底まねができない。
仕事を依頼された後に相当練習したと聞いた。
飼い主も素晴らしいプロフェッショナルだと思った。

どれだけすごい演技かはぜひ映画で見てほしいと思う。
そしてタレント犬を目指す方には、ぜひDOVEと飼い主の姿を見習っていただきたい。
私も見習わなければ。
100%飼い主への信頼でストレスもなく、見事に演じきったDOVE・・・。
撮影のときは全然元気だったのに、寿命が尽きたかのように星になっていった。

完璧な演技。
それは担架で病院に運び込まれ、やがて息を引き取ってしまう急患の役割。
泣きじゃくる飼い主の抱擁にも微動だにしない。尻尾も動かさない。
本当に死んじゃったのかと思うほどだった。
でもOKと言われたら大喜びで飼い主の元に駆けつけた。
これは現実ではなく、あくまでも演技の世界だったのに・・・。
上映前に逝ったことが悔やまれる。
でも二人にとっては最高の思い出。
もはや映画は私にとって涙なくしては見られないものになってしまった・・・・。
源ちゃん逝く
一緒に優良家庭犬試験にチャレンジし、JKCの訓練競技会やBHにも挑みました。

ノイと仲良しだった犬がまた一頭虹の橋を渡りました。
ペットフェアのようなイベントでも仲良くデモ犬をしてくれました。
ノイも源ちゃんも、あの頃は飼い主が一生懸命で、毎日毎日、朝から晩まで愛犬のことを考えていたから、本当に太い絆を作っていたと思います。

知識の増えた現在の方がより犬の気持ちはわかりますが、あの頃にかけた情熱と真剣さはそういった知識や技術を越えた、まさに体当たりのコミュニケーションだったなぁと思います。
愛犬たちにはストレスもかけました。そしてそれを上回る喜びを共有しました。
源ちゃんも決してぬるま湯の生活ではなかったと思います。
いろいろな所に出かけていろいろなことにチャレンジする日々。
犬に解るのは飼い主が真剣だということだけ。
そしてうまくできると本当に喜んでくれる飼い主の笑顔。
ノイも源ちゃんも幸せだったと思います。
それは飼い主が犬を幸せにしてあげよう、なんて上っ面で考えていたわけではなく、本気で向かい合って、必死で対話していたと思うから。
源ちゃんのご冥福を心から祈ります。
そして天国でノイと再会してくれることを願います。
まりもちゃん
お母さんのモニカが待っている天国へ。
もちろんノイも先に行っています。
ノイと遊ぶまりもちゃん。

ノイ(左)と美人のお母さん。

残念だけど、天国でノイは喜んでいるんだろうなぁ。
会えば本当に良く遊んでいたから。

ノイを迎えに行った日のこと、昨日のように良く覚えています。
生命力にあふれた子犬たち。
かわいかったなぁ・・・。

サモエドの女の子はかわいすぎて、私には飼えません。
きっと感情移入しすぎます。
まりもちゃんも永遠のお嬢様のようでした。
ノイが大好きだった女の子、メリーちゃんも忘れられないサモエドです。

天国でみんな楽しく暮らしているかなぁ。
犬を飼う宿命。
悲しいけど避けて通れない現実。
1万5千年の間繰り返されてきた人と犬のお別れ。
ノイのお兄ちゃんルーディには頑張って長生きしてもらわなくちゃ。
ルーディーに会いたくなってしまいます。
2年目の1月15日
ノイの命日です
思い出すのがつらくて、でも忘れていくのが寂しくて。
死ぬ直前の写真を見る勇気がなくて、大昔の写真ばかり見ていました。
病院で最後に撮った動画は、まったく見ることができません。
なかなか懐かしい、という気持ちにはなれないものなんですね。
2月になればルフトはもう2歳です。りっぱな成犬になりました。
そしてノイを失って2年が経ちます。
スタッフのYちゃんが花をくれました。
ノイはきっと喜んでいます。ありがとう。本当に花が好きだったから。いつも熱心に匂いを嗅いでいたから。ノイは喜んでいるだろうなぁ。
犬って注目されていることが大好きで、かまってもらえることが何よりのご褒美だから、ずっとほったらかしにしていたノイのこと、今日だけは心の中でたくさんかまってあげたいです。
ノイのおかげで私の人生は大きく変わりました。たくさんの出会いもありました。
無力な私はまだまだぜんぜんノイが与えてくれたことに報いることができません。
悔しいです。もっと頑張らなくては、と思います。
我が家では幼いころから正月に記念写真を撮る習わしがあります。
これが2007年の正月。ノイ最後の記念写真です。

そしてこれが、今年2009年のお正月。ノイがいた場所にルフトがいます。
昨年教えただけなのに、ルフトは遠隔の指示でソファの上のこのポジションに入ります。ノイがやっていたのとそっくり同じように・・・。

モニカかあさん、ノイによろしくね
私の人生を変えたノイを生んでくれたモニカ。とっても美人で性格の良いサモエドだった。

ノイを迎えに行った日、出産ですっかり毛が抜け、サモエドらしからぬすかすかのコートだったモニカ。お母さんや兄弟たちから引き離して連れて帰るのはとっても心苦しかった。

1年間はあえて里帰りせず真剣に向かい合って関係を作り、それからようやくノイはお母さんと再会したが、それ以後はなにかあればお邪魔させていただいた。そんなときノイは大喜びでモニカ母さんや兄弟のルーディ、そしてまりもちゃんと遊んでいた。
その頃私はノイのしつけに夢中になっていたけど、みんなで遊んでいるノイを見るととても幸せそうで、大切なことが何かをいつも考えさせてくれた。飼い主のもにもにさんはしつけなんて頼りないものだったけど(ごめんなさい)、純粋な愛情を犬たちに注いでいた。だから犬たちはとってものびのびしていて、里帰りしたノイも本当にくつろいで見えた。私は自分の犬との関わり方をずいぶん見直させられたと思う。
命の大切さ。
犬と暮らすことの意味。
犬の幸せ。
いろいろなことを見直させられた。
モニカはノイにもとっても良いお母さんだったと思う。ノイはモニカの良いところをたくさんもらっていたんだと思う。そしてそれをずいぶん私にも伝えてくれた。
モニカが動けなくなって、何度か連絡をいただいていたのに、お見舞いにも行かなかったことが悔やまれる。
ごめんなさい。
モニカ、どうか天国でノイとずっと一緒にいてやってください。
私の不甲斐なさで先に天国に行かせてしまったノイはきっとさびしがっていると思います。
ノイのことが気になって仕方がない私の代わりに、ノイを見守ってください。
そして安らかに。ノイと一緒に安らかに。
みなさんありがとう
Unforgettable
今日1月15日でノイが他界してちょうど1年になります。
どんどん大人になっていくルフトを見ていると、なんだかノイに似てきたなぁと感じる部分がいくつもあります。
背筋がまっすぐなオスワリ。長めの足。頑固なまなざし。そして他の犬や人と上手に明るく付き合えるところ・・・。
もしもノイが生きていて、そしてルフトと会えたらどんなだったでしょう。少なくとも私はものすごく幸せだったと思います。

真顔のノイとルフトを並べてみました。左がルフト、右がノイです。
私の映像編集テクニックがあがったら、動画で二人を並べてみたいです。

思えば2007年の正月にはまだノイは元気で、預かっていたルナと仲良く遊んでいました。うたた寝する時も同じような格好をして、とても仲良しでした。

2008年の正月、今年もルナはいましたが、一緒にいるのはルフトでした。ルナはノイの時ほど上手にルフトと打ち解けません。同じサモエドなのになぜなんでしょう。ルフトがまだルナの気持ちをうまく理解してあげられないからなのか、ルナがノイではないサモエドに戸惑いを感じているからなのか。
少しだけ寂しさも感じてしまいましたが、きっといつかルフトもノイのようにもっと上手に相手の気持ちを理解して、心を開かせてあげられるようになると信じています。
ノイが天国からみているから、私もルフトもがんばれます。
頑固だけど優しい、平和主義だけど強くて正義感のある、信頼し合っているけどべたべたしない、自分の気持ちは伝えてくるけれど、言われたことはちゃんと守る、ノイのようにルフトを育てます。
ノイ出演のタレント犬DVDいよいよ発売
2006年4月から製作が開始されたフィルムドッグ(タレント犬)のハウツーDVDが、今日ようやく出来上がりました。
実に1年4ヶ月ぶり。出演しているノイとのエピソードも懐かしく思い出します。タレント犬トレーニングには特別な思い入れがあり、4年前からずっと追いかけていたテーマでもありましたので、感無量です。
一般的に犬のトレーニングに懲り出すと、進む道は訓練競技会かドッグスポーツばかりです。個人的にはすぐ成績の話になってしまうことにちょっと抵抗がありました。そんなときにタレント犬(フィルムドッグ)のトレーニングはどうだろうと興味を持ち、テリー・ライアンさんに紹介していただいて出会ったのが、ハリウッド映画などでも仕事をしている撮影動物トレーナーのアン・ゴードンとジョーダン・ヘプナーです。
二人は人道的で科学的なトレーニングをベースに、クリッカーも用いながら実に高度なトレーニングをしています。私はすっかりはまりました。「これは楽しい」。すべての知識と技術を総動員して要求される演技を教えること。締切があり本番があるシビアな世界ですが、競争や順位とは無縁の、まさに自分との戦いなのがステキです。
これまで日本ではなかなか科学的な方法による撮影動物トレーニングは行われていませんでした。知っている人がほとんど居なかったからでしょう。
そこでこの4年間、科学的なフィルムドッグトレーニングを広めるための活動を通じて、犬とのコミュニケーションをベースとしたトレーニングの楽しさをお伝えしてきました。そしてそのためにはどうしてもハウツーDVDが必要でした。
ようやくでき上がった念願のDVDは、リッチフィールドという、スポーツカー フェラーリのDVDなども手がけている会社によって制作されています。
制作していたときから、これは良いDVDになると思っていましたが、本当におすすめできる内容になっています。
「GO WITH」のキューでジョーダン・ヘプナーと歩く練習中のノイ。DVDの本番ではかわいい外人の女の子と演技をしています。