THE BAMBOO CLICKER
国内販売はまだですが、海外では先のクリッカーエキスポで発表され、おかげさまで好評を博したようです。

特にイベントの主催者であり、クリッカートレーニングの大御所、カレン・プライヤーさんがたいそう気に入ってくれて、イベントホールの一番目立つところで会期中ずっとディスプレーされていたと知り驚きました。


カレンプライヤーのホームページでも絶賛の評価とともに販売を行ってくれています。
《ちなみに画面に映っている盆栽は、今でも横浜のPERROにあります)
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by Kazuya Arai, President of D.I.N.G.O.
“The Bamboo Clicker DVD is a beautifully produced introduction to clicker training. It’s absolutely gorgeous. Every step in clicker training is gracefully tied to a Japanese tradition, such as a tea ceremony or bonsai. The costuming is brilliant. All in all, a feast for the eyes and a clicker trainer’s sensibilities. An excellent resource for beginners and those who teach beginners.”—Karen Pryor
What is the “Clicker Doh?”
New Dog Training Method DVD from Japan.
In this DVD you will learn:
The secret of clicker training developed in the Japanese culture
How to master your clicker training skills by image, not by theory
The sense of balance found in bonsai and flower arrangement
What is “go-no-sen” that is important to the martial arts?
Timing is critical in clicker training
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あくまでも海外向けにD.I.N.G.O.の考えるクリッカートレーニングを紹介するために制作したDVDなので、「これがハウツーもの?」と驚くくらいのドラマ仕立て、しかもすべて和風になっていますが、大切な基本とコンセプトがしっかり表現されていると思います。好評なので近々日本でも販売することにしました。
理屈ではなく感覚で楽しみながらクリッカーを会得したいという方にはお勧めです。
Newクリッカー
クリッカー、もうひとつの活用 TAG
その概念は、もはや犬を含めた動物だけのものではなく、さまざまなジャンルで人間に対しても使われ始めています。

クリッカーの普及に尽力しているカレン・プライヤーも全面的に支援するTAG(トレーニング ウィズ アコースティックガイダンス)は、そういった人間に対してクリッカーを用いるプログラムの世界的なスタンダードです。
体操選手の美しいフォームを強化し、工場の生産性を高め、そして自閉症児の自発的な行動を促していく、そういった幅広い目的にテレサ・マッキオンが提唱するTAGが用いられ始めています。

昨年9月にテレサが初来日を果たし、ユニークな体験ワークショップを全国で開催して好評を博したこともまだ記憶に新しいTAGですが、この2月に再び彼女に来日していただくことになりそうです。
目的は昨年同様の体験ワークショップの開催もさることながら、TAGティーチャー資格の取得を目的とした2日間の特別ワークショップを行っていただくことができそうだからです。

世界ではすでに多くの国で500名以上の方が取られているTAGティーチャー資格取得のためのワークショップを、特に熱心な方のために日本でも先行開催しようと考えています。
この方たちに伝道師となってTAGを広めていただきたい、テレサも私も、そしておそらくカレンもそう願っていると思います。
たかがカチッという音がするだけのクリッカー。されど、人間を含めた動物全般の行動と学習の仕組みを理解し、それを有意義に用いたとき、クリッカーなしでは考えられない高みへと登っていくことができるのです。
(注:TAGではクリッカーと呼ばずにタガーと呼びます)
キューの弁別不要論
ちょっとひと段落な状態です。

さて、久々の「これまでのトレーニング理論に物申す」シリーズ(って、そんなの無いけど)
ずっと気になっていたことですが、ようやく自分の中で結論が出たことの一つに、クリッカートレーニングにおける最終段階の「キュー乗せ」と「クリッカーの引き上げ」があります。
従来(私も含めて)行動が70%以上の確率で定着してきたら、そこでランダムにキューを乗せていき、キューの出た後だけ行動に報酬が出る、キューの出ない時には行動の後に何も起きない、というキューの弁別作業を終えてからクリッカーを引き上げるというのが定説でした。
でもこれ、やってみると、なかなか効率が悪いです。犬にも無駄なストレスをかけているような気がしてなりません。もはやごほうびトレーニングという名のいじめです。
で、結論から言うと、この効率の悪いプロセスは無い方がいいと思います。
どうすればよいかというと、ランダムなキュー乗せをせず、キューを乗せるときには徹底的にキューを乗せ、「キューを出さない」というタイミングを作らないのです。
そのまま犬の記憶メカニズムが短期記憶から中長期記憶に移行するまで、クリッカーを使い印象的なエピソードもくわえながら、意識から無意識になるようにエクササイズを続けます。いわゆるマッスルメモリー状態ですね。
で、そこでいきなりクリッカーを卒業します。
それからは普通にキューを出し行動が出たら褒めて報酬。
報酬のカタチは、いわばご褒美という外的報酬から危機回避本能をベースとした内的報酬に移行する感じ。でももうクリッカーは使いません。
もちろんそのあとで勝手に行動しても何も起きない、何も得られないという状況は作ります。
思い出したときにはキューを出し、できれば褒める。できなければ最小限のプロンプトを用いることで、記憶を整理してもらう。
それが一番効率がいいように思います。
考えてみれば私は「ランダム」というメソッドをあまり好きではないのかもしれません。人間は本当のランダムを作れないから、どうしても犬にとって何らかの法則をができてしまう可能性が高くなるからです。
私は「ランダム」を考えると、とても緊張し、困惑してしまいます。
さらに、人がクリッカーを持つというのはトレーニングされた犬にとってそれ自体がかなりの強化子となり、その状態で「キューが出ていない時は行動しても無駄」というセッションを行うことにはさまざまな弊害が考えられます。負の弱化が最たるものですね。
もう私はランダムなキュー乗せをしません。人にもお勧めしません(きっぱり)
バンブークリッカー
さらにクリッカー
音のシャープさ、適度な音の大きさ、ばねの強さとストローク、持ちやすさ、そして美しさ・・・。
以前はクリッカーといえばボックスタイプだけだったので、それに慣れてしまったということもあるでしょう。
先日旅先で「そうだ、原点に返ってボックスタイプをベースに使いやすさを追及してみよう」と急に思い立ちました。
早速帰ってから作ってみたらとても簡単に作れて、しかもばねの強さや音の大きさがちょうど良い感じです。
すでに3個も作ってしまいました。かなりお気に入りのバージョンです。

ボックスクリッカーを分解し、薄く作り直して蓋部分に穴をあけ、使いやすそうなボタンを付けるだけ。
ボタンの高さや大きさ、そしてRの形状。ボタンは特に早押しをする場合は研究の余地がありそうです。

端に金属のループをつけると、ちょっとデザインのアクセントになって実用性も上がりますね。

そして透明なボックスクリッカーを用い、塗装無しでオリジナルのデザインを活かしたものも作ってみました。これは先日のクリッカーエキスポでいただいたTAG Teachingのクリッカーがベースです。

これはこれでいい感じですね。でも一つ作るのに同じ色の2つのクリッカーが必要になってしまいます。

製造過程はこんな感じ。切って貼って穴を開けてパテ盛りして・・・

良いアイデア
さて私はクリッカートレーニングがとても好きなのですが、ではルフトとどのくらいクリッカートレーニングをしているかといえば、せいぜい一日10分くらいだと思います。
決してクリッカートレーニングマニアというわけではありません。
それでもクリッカートレーニングには様々な可能性があって、それがまだ究明され切っていないことに楽しさを感じます。世界中が気が付いていないことがたくさんあるんです。
そしてクリッカートレーニングには、犬との関係作りを支える様々な理論や技術が凝縮されていることもその魅力となっています。「クリッカーを究めればすべてが見えてくる」そんな気もします。
クリッカーを鳴らす速さ、厳密なタイミング、いつどこにどんなおやつを出すか・・・。そんなこともこれまで以上にこだわりを持ち、突き詰めていくことで明らかに犬の学習速度が変わることを感じています。
どちらかというとオペラント偏重主義の近代的犬のトレーニングを象徴するかのようなクリッカーですが、むしろ私はクラシカルコンディショニング重視。そしてクリッカーのオペラント的ではなくクラシカル的な用い方にもとても興味を持っています。これらは従来極めてあいまいな線引しか存在しなかったのですが、トレーニングの現場レベルでしっかり理論を整理してみることで、さらにクリッカーの大きな可能性が見えてくるのです。
そんなこんなの言い訳をしつつ、せっせとまたクリッカーを作っています。(笑)


アルミでボディから作ったハンドメイドクリッカー。ちょっと音はか弱い感じになってしまいました・・・・。
クリッカーいろいろ
プレミア社のClicSticは、板ばねがちょっと柔らかくて音に切れがないので、もう少し固い板ばねに入れ替え、ボタンと先端のボールを変更しています。もちろん塗装もしていますが、この塗装はあまり気に入っていません。(笑)

次は題して「マツケンシリーズ」

とにかく派手にボディもボールも金ラメ仕様にしています。
ClicSticには超高輝度LEDを仕込み、耳の聞こえない犬のトレーニングや騒音下のトレーニングでもブリッジとなる光を発します。
次はQuickClicのマツケン仕様。QuickClicは音がしっかりしていて切れの良い、犬にわかりやすい信号を送ることができるので、愛好する方も多いようです。

そしてえぢくんの飼い主にリクエストされて制作したClickStic2のカスタムカラー。銀ラメぎらぎらバージョンです。

時間ができると、肝心な愛犬のトレーニングを後回しにしてカスタマイズにいそしむ私です。
またしても改造
発売されたばかりのプレミア社製クリックスティックですが、どうしても我慢できず改造してしまいました。
おもにカラーリングですが、旧タイプのロッドと入れ替えることにより、少し長くなるのと、替え玉を使うことができるようになります。(ただし、完全にはロッドが収納できなくなります)
さらに・・・
小さな超高輝度発光ダイオードと、横に付いたやはり小さなボタンに注目してください。
電池を内蔵し、今回はちゃんとマイクロスイッチを使ってシャキッとライトが点くようにしました。
すごく明るくて、暗い所ではとてもきれいです。
クリッカーのボタンとライトのスイッチはあえて連動にしないで、それぞれ別に操作できるようにしました。クリッカーは親指、ライトは薬指での操作なので自在に使い分けられます。
結構いい感じ。気に入りました。
(こうしてトレーニング用品の改造は進むのですが、肝心のトレーニングは・・・・・)
ついに登場
ついに米国プレミア社製の新型クリックスティックが出ました。
現物はいかにもアメリカらしいカラーリングとなっており(確かテストしたときの色はもう少し地味だったような・・・)、なかなか良い感じです。
全体に少し小さめになってかわいらしくなりました。残念ながらターゲットボールは以前のタイプとの互換性が無く、もう少し大きなボールにしたいときには工夫が必要そう。
でもステンレス製ロッドを採用しており、裏面のベルトクリップも踏襲しています。パッケージはプレミアらしい派手な感じで、テリーさんの取り説も入っています(英語ですが)
早速ルフトに使ってみました。日本で初の新型クリックスティックによるターゲットトレーニング。(笑)
ボールの小さめなサイズが解りますね。でもこれもネジで取り外せるので、今後ラージボールのオプションも出るかも。