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60の手習い

急にサックスを習いだした。
教える仕事をしていると、習うことに喜びと興味をそれまで以上に感じる。
残念なのは学習能力が著しく衰えていること。
そこであの手この手の工夫が必要になる。
主に学ぶモチベーションを上げる工夫。

まず道具。古いものを治すのが好きだから、古いヤマハを買って見よう見まねでオーバーホールした。
一応成功。なんとか音は出ている。

次は音符を覚える工夫。
ついに子供用のソルフェージュ本を買った。
理にかなってる。地道にやればこれなら覚えられるかもしれない。

そして指の動かし方。そもそもの吹き方。

一つの曲をとことんやるべきか、気分を変えているいろな曲をやるべきか。
現在は両方試している段階だが、そもそも楽譜を読めるようになって、それと指の動きが合わせられれば曲は何でもよいわけで、なんでもそうだけど、基礎って大事。

願わくばモチベーションの炎を消すことなく、長く続けていきたいものである。

そして今自分が体験していることが、そのまんま私の生徒さんにも共通して言える部分があると思うと、教える仕事に関しても気を引き締めないといけないと思う次第であります。

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2017年

新年明けましておめでとうございます。今年もルフトともどもよろしくお願いします。
さて、2016年末から怒涛の海外ラッシュ、出張ラッシュを迎えていますが、2017年も1月台湾、2月京都、3月鹿児島とお出かけラッシュは続きそうです。
韓国D.I.N.G.O.も夏と冬の定番になり、生徒さんたちの成長が楽しみです。

そんな中、8月には自分の勉強で久しぶりにアメリカに行くことになりました。
ご招待いただいたのは3回目の訪問になるウルフパーク、講師はケン・マッコートです。彼の3日間に及ぶプロ向けセミナーです。


オオカミだけではなく、バイソンやフォックスのクリッカートレーニングを実際に体験させていただけそうです。
ちょうどA.D.I.C.T.というクリッカー認定を立ち上げたところで、そのポリシーとしてオールアニマルを掲げていますから、いろいろな動物のクリッカートレーニングを体験させていただける格好の機会となります。
A.D.I.C.T.(工事中)

一人旅で心細いですが、きっとオオカミたちは私の事を覚えてくれている、そう信じて行ってきます。
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OFFスイッチ

長年いっしょに暮らしている犬でも、あるいは犬以外のコンパニオンアニマルではさらに頻繁に、本能的逸脱といわれるような行動が出てしまう時がある。

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(十分なハズバンダリートレーニングによってヒトを受け入れるオオカミであっても、全然安全だと思う人はいないだろう)

ヒトと動物の絆、なんて吹っ飛んでしまうくらいの(ヒトにとって)困った行動。

これらはたいていは動物としては正しい、あるいはやむを得ない行動だったりする。

遺伝子に組み込まれた行動や、学習が繰り返されることにより無意識の反射になってしまった行動。

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(ディズニーのリタイアしたグリズリーベアを飼育している施設では、トレーニングされた熊たちがオスワリやお手をする。可愛いけど、本能を考えるともちろん安全とは思えない。)

ヒト社会で暮らす動物にこれが出てしまうと厄介。
犬なら吠えや噛み、破壊。猫なら狩り、そして去勢避妊がポピュラーではない動物では繁殖本能ベースの行動。

これらと向き合うのはいつだって厄介。
行動を止める事はかんたんにはできない。その行動をしなくなるようにするのはさらに難しい。
ハウストレーニングとは別次元の話。

もともとしない個体と、そういう行動が強く出る個体がいるからややこしい。
他の家と比較しても全く無意味だ。個体差が激しいから。

たとえば来客時に吠える犬。これも自動的な反射行動と思っていいかもしれない。
本来犬はそういう暮らしを長年してきた生き物だから。

そこで吠えてはいけないというトレーニングをしようとしてもたいていうまくいかない。
反射行動は思考回路を通る理性的な行動よりはるかに早く出てしまうから。

来客があったら部屋の隅のマットでフセルという(吠えることと)両立しない行動を教える。
たくさんごほうびを出して、捕食本能に訴えかける。
危機回避本能と捕食本能を犬の中で戦わせるわけだ。
無意識になるまで反復練習すればうまく行く。けど大変。
そしてたまには本能的逸脱。つまり危機回避本能が勝れば吠えてしまうことになる。

そこでタイトルのOFFスイッチを作ることがとても有効な対策となる。
1~2回吠えるのは本能だから認めてあげよう。でもそこでスイッチを切ってもらう。
「オシマイ」という言葉をルールとして教えるのも効果的。
その方法はここでは書ききれないがD.I.N.G.O.のクリッカーをやっている方ならわかるかも。
フィードバックの一つとして、犬の吠えに返事をしてあげるのもいいかもしれない。目的が達成されればそれ以上吠える理由がなくなるから。

「追いかける」というモーターパターンに対抗するには、レーザーポインターを使う。
追いかける行動には追いかける本能で対抗するわけだ。正しくは本能のコントロールをするという感じだろう。
そして無意味な追いかけより、レーザーポインターを追いかける方が価値があればそちらを選んでくれる。

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さまざまな本能的、あるいは反射的な行動に対してクリッカーはとても有効な道具となる。
なぜならクリッカーの音は極めてシャープなブリッジ(二次強化子)だから、反射に負けないくらい一瞬で犬の脳内に報酬を送り込めるからだ。

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私がクリッカーの高度な使用にこだわるわけがそこにある。
基礎をしっかり学んだクリッカー使いが応用を広げて行くと無限の可能性がある。
しかもすべての動物に有効なコンセプトであることもとても有意義だと思う。

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ADICTという認定制度を作っている。アドバンスド ディンゴ インターナショナル クリッカー トレーナー という語呂合わせをしているが、ADDICT つまり中毒という単語をもじった、マニアックなクリッカートレーナー資格。
かなり武道を意識し、1と2からスタートするが、その先の上限は定めていない。
このトレーナー認定にはプロもアマも無い。ただ知識と技術がどのくらいあるかの尺度になるだけだ。
韓国の専門学校からスタートしたが、国内でもどんどん行って行く。
対象動物もオールアニマル。犬猫鳥に限定していない。
専門学校の1年で1、2年で2が取れる程度のカリキュラムを意識している。

ホームページの試作だけ、ちらっとお見せしますね!
ADICT見本ページ

もう一つのキュー

私たちはもうコマンド、とか号令という言葉を動物に対する用語として使いません。
それではいろんな不具合が出てくるからです。
ドアの前に立ったら自動的に犬がオスワリをする。こんな時「コマンドは出していないのに」となって、なんて賢いんだって犬をほめちぎる。確かにコマンドは出ていません。コマンドは号令。号令はヒトが出す指示の言葉です。命令でもあります。ドアの前に人が立った時、だれも犬に命令はしていないのに犬が座ります。
ところがこれ、犬側の目線で考えればコマンドだろうがお約束の環境による刺激だろうが、きっかけは何でもよいわけで、とにかくある特定の条件でオスワリをするとほめられる、おやつをもらえるとなれば犬はそれを学習するという単純な話なわけです。
こんな時、コマンドという言葉を使っていると混乱しやすいから、犬(動物)が行動を起こすすべてのきっかけを総称して「キュー」というように定義づけているわけです。
キューという言葉で考えるようになると、犬(動物全般)との関係がぐっとすっきりします。
きっかけ、行動、結果の3つの箱を使いやすくなります。

で、いろいろなトレーニングをして来ると、そのキューの数がどんどん増えて行きます。
生徒さんには是非リストアップするよう勧めています。
ヒトと犬、双方にとってキューの意味が正しく理解されているなら、それはもはや「共通言語」です。
共通言語が増えれば会話が可能になります。

さて、
皆さんは犬に行動してもらうためのキューをいくつ持っていますか?

この質問から始まる私の新しいセミナーがあります。
多い人は200近いでしょう。少ない人でも3~40個はあると思います。
つまり犬からすればヒトからのキューをそれだけ学んでいるのです。

そこでタイトルの「もう一つのキュー」。
これはヒトからのキューではなく、「犬からのキュー」を意味しています。
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犬がヒトに行動してもらうためのキュー、あなたはいくつ理解していますか?

犬だってヒトに行動してもらいたいときがあります。でも数えてみるとそれは意外なほど少ないはずです。
そして明確な共通言語になっていないケースが多いです。
・外に出たい
・水が飲みたい
・おやつが欲しい
・トイレ行きたい
・遊んでほしい
・ボール投げて
・撫でて
・離れて

こういった犬の希望を犬からのキューとしてきちんと理解していること、フェアトレーニングにはとても大切です。

それなのにヒトからのキューを教えるプログラムは山ほどありますが、犬にヒトに使うキューを教えるプログラムはほとんどありません。フェアトレーニングを標榜する私としてはさびしい限り。
そんな中でもっとも有名な犬からのキューはトレーニングベルかもしれません。

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昔からある製品で、外に出たいときに犬が鳴らすベルです。

トレーニングというとついヒトからのキューで犬に行動させる事ばかり考えてしまいますが、これはヒトに行動させるための犬からのキューを教えるプログラムです。
3つの箱で考えればどう教えて行けばいいかわかりますね。

犬からの要望ってそんなに多くないから、それら全てにこういったキューを作ってみてはどうでしょう?
鈴だけではなく、ヒトが不快にならない音を出すベルなんていかが?

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こうして考えてみると、私たちはとても長い事、犬たちにキューを与えていなかったことに気が付きます。

以前は「犬は黙って人の言う事を聞け」という時代が続いていたし、その後は「よく観察して犬のサインを読め」という流れになっています。D.I.N.G.O.でもシグナルを読むことを推奨しています。
これらはいわゆる「犬語」として取り扱われていました。
ところが、その結果、犬はヒトに通じやすい共通言語を探って、いくつかの手段を身につけてしまいます。
それが「ほえる」「ひっぱる」「とびつく」「かむ」です。

「犬の言葉、観察しましょう」もいいんだけど、大事なんだけど、だけどコンパニオンアニマルには、それが何語でもかまわないからお互いの間の共通言語をきちんと作ればいいじゃないですか。

突然外国の方がホームステイに来た。そんなときあなたはその人をひたすら観察するのでしょうか?
ああ、この人もじもじしてきたからトイレかもなぁ。とか私の飲むビールを見てのどをごっくんさせてるからビール飲みたいのかもなぁとか。

それより最低限の共通言語を教えてあげればいいのではないですか?
「といれ」とか「びーる」とか(笑)

犬からの(猫からの、鳥からの、ウサギからの)キューをちゃんと作ってあげましょう。お互いずっと暮らしやすくなります。

フィードバック

ずーっと人道的、かつ効果的なトレーニングの事を考えてきた。
さらに言えば、人と犬が暮らす、その、双方にとっての意義と、それに基づく関係作りや暮らし方を気にしてきた。

D.I.N.G.O.設立当初は、D.I.N.G.O.の知名度も無く、またニーズも強かったので、とにかく外国人を呼んでイベントを開いていた。ほぼイベンターのようだった。
それでも私なりのこだわりがあり、テーマに関してはこちらでリクエストし、D.I.N.G.O.としての方向性を少しずつ打ち出して行った。

しかし、そんなことを続けていても自分たちのこだわりや考えを直接聞いてくださる人は一向に増えない。イベンターは次にどんな先生を海外から招くかだけが、皆に問われることだから。

徐々に国内のD.I.N.G.O.インストラクターたちの話を聞いてもらえるように、まずは自分たちのセミナーやワークショップを開くようにして行った。
海外の人なら何でもありがたい、という風潮を壊したかった。
むしろ私たちD.I.N.G.O.の話を聞いてもらいたい、そう思った。日本人の感性はコンパニオンアニマルとの人道的な関係づくりに向いていると確信していたから。

海外からの講師を招くイベンターのような業務を減らし、小規模でもいいから自分たちの話をさせていただくイベントにシフトして行った。
売り上げが落ち、経営的にはずっと苦境に立たされていた。
それでもイベンターには戻りたくない。日本初の情報発信を定着させたい。そう思って自分たちのセミナーやワークショップを続けた。
元企画屋だから、外国人のネームバリューではなく、テーマやコンセプト、そしてイベントそのもののエンターテイメント性にアイデアを投入し、少しでも楽しくかつ分かりやすい最新情報の提供を心掛けてきた。

決算は赤字続き、いつ倒れてもおかしくない業績に慢性的な不安は抱えていたが、会社は倒れてもD.I.N.G.O.は育ち続ける。そういう構造を初めから意識していた。
企画屋にとって企画はわが子同然。しっかり育てればやがて一人立ちして独自の人格を持ち歩きだす。D.I.N.G.O.のシステムもそういうつもりで組み立ててある。

10年経って素晴らしい人材が全国に育ってきた。
同じ志、同じ理念を持ってそれぞれが頑張っている。
こういう形態をアメーバ組織と呼んでいる。
実態がありそうで無さそうで、でも柔軟に時代に対応して成長し続ける。絶対的なリーダーを必要としない、しかし絶対的な価値観を共有している集団。

これまでの事を思うとうれしさがこみあげてくる。
解ってくれる仲間が増えた。人と動物が共に暮らすことの意味を本気で考え、目先の利益は論外としても表面的な動物愛護論にも振り回されない、信念を持った「健全な仲間たち」

このところ犬だけにとどまらず、いろいろなコンパニオンアニマルの事で、声をかけてくださる事が増えた。
外国人を呼ばなくても私たちの話を聞いてくださる。
本当にうれしい。

決して守りに入らず、D.I.N.G.O.のポリシーである、「常に3年先を見据えて」を踏まえ、コンパニオンアニマルと暮らすうえで大切なことって突き詰めれば何なんだろうと考えてみた。

その(現在の)答えは、距離によるコミュニケーションとフィードバック。これに尽きると思う。
人を含むすべての動物はその距離感によってコミュニケーションを図っている。
実際の距離、体の向きやバランス、そして視線による精神的な距離。
言語でさえそれを補完する手段の一つにすぎない。
そういった距離感により仲良くなることも嫌われることも起きてくる。
だからリニアに変化する上手な距離感で対話できれば仲良くできる。少なくとも嫌われたり威嚇されることはない。
動物たちが攻撃的になるのは何かを守る場合が多い。守る必要を感じるのは相手の距離が近すぎる場合だ。

ちょっと近づきすっと離れる。
ちらっと見て目をそらす。
相手の反応を確認する。

そうやってお互いの気持ちを確かめ合いながら距離を縮めて行く。

距離はとても大切なメッセージだと思う。

そして共に暮らしていくために必要な事柄を伝えるためのエクササイズ(トレーニングとは言いたくない)では、科学的な学習理論は不変だが、報酬の部分が単に食べ物だけになることが無いよう、もっともっとデリケートに内的報酬まで含めて掘り下げていき、動機付けの理論を突き詰めて行った結果、表題の「フィードバック」にたどり着いた。

フィードバック

最近のセミナーテーマで一番のお気に入りがこの「フィードバック」。

犬だって「話せばわかる」。そう思っている人は多いと思う。私もそう思っている。
でもそれは決して超能力に頼ったアニマルコミュニケーションではないし、一方的に日本語(英語でも)で話しかける事でもない。
人間同士だって、海外の人とはどちらかが相手の言葉を学ばなければ「話せばわかる」ようにはならない。
むしろ中途半端な語学を用いると、思わぬ行き違いでトラブルになることもある。

だから動物たちと「話せばわかる」ようになるためには、私たちの言葉を教えるか、彼らの言葉を学ばなければならない。残念ながら今のところ言語を持っているのはヒトだけ、とされている。鳥類などはかなり高度な音によるコミュニケーションを取っていると思うが、「人類の言語体系」で無いのは確かだ。だから発音や言葉をコピーしてもらっても人の言語を「話せばわかる」レベルで使ってくれるとは思えない。
だから彼らの言葉を学ばなければならない。彼らの言葉はシグナルや、それ以上に距離だ。
言葉だけではなく、価値観とかそういったものも理解しておかなければ、ヒトと動物たちとはベースに有るものが相当に異なるからコンセンサスが取れない。

学習理論の習得程度で満足していてはだめなんだと思う。

フィードバックというテーマのコンセプトは、「話せばわかる」だ。しかしそれは相当に奥が深い。
でもフィードバックの価値と使い方を理解してくれれば、その日から何かが変わると思う。
そのくらい大事だと思っているテーマだ。


アニマルトレーニングでぜひ参考にしたいもの

犬に限らず様々な動物をトレーニングする、特にプロ志向の方にぜひ知っていただきたい、素晴らしい情報の宝庫がいくつかあります。

これらは自分自身でもほんの片鱗しか理解していないものばかりなので、内容を具体的にお伝えすることはできないのですが、絶対に、間違いなく、とても有益なヒントが、ぎっしりと詰まっている、すばらしいものです。(力入ってます)

それぞれがそれぞれに、磨き抜かれてきた長い伝統を持ち、ストイックに追い詰めている達人がひしめいている世界です。

とかく専門分野の方々はその分野に没頭し、他の分野を見れなくなる、あるいは横のつながりや関連性を意識できなくなることが多いと思いますが、そこにコーディネーター的に、あるいはプロデューサー的につながりを見つけ、あらたなものを生み出していける時、本当に目からウロコのすばらしい世界が開けてくるものだと個人的には思っています。

D.I.N.G.O.のイベントには基本、常にテーマとそれを表すタイトルがあります。
漠然と、だれだれ先生の有りがたいお話、というのにはあまり興味がなく、むしろどんなテーマで何を掘り下げるのかにこそ意義があり、そのテーマづくりでほぼコンセプトメイキングは完成していると思うからです。

フィロソフィーがあって、コンセプトがしっかりしている、ということに元企画屋としてのこだわりがあります。表面だけの、あるいは流行に迎合するかのようなイベントは絶対にやりたくない、そう思っています。

素晴らしいマジシャンの聖寿さんと出会い、8年くらいぶりにトレーニングに活かすマジックのワークショップを開きました。

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 マジックで大事なのは観客の心理を上手くコントロールする事。心理誘導というわけですが、マジックの世界ではミスディレクションと呼ばれたりしているようです。
 上手なマジシャンとは、すなわちこの部分がうまい人なのかもしれません。もちろん手先の技術や円滑さもですが、ミスディレクションが素晴らしいと実に気持ちよく騙されます。だまされるというか、もうこれは科学では説明できない(?)空想リアリティのエンターテイメントです。
ひねくれ者以外は、そこにいるすべての人が心理誘導されてしまいます。

翻って(ひるがえって)、私たちのようなアニマルトレーニングを極めたいと思っている人間にとって、動物のコントロールにも、行動面と心理面があります。

ルアーリングと呼ばれる行動の誘導。自発性を引き出すクリッカートレーニングなどによる行動のコントロール。
こういったことの研究は盛んですが、実は意外と心理面の誘導というジャンルはおろそかになっています。これはもともと犬の感情に配慮しない行動分析学などの科学的アプローチが中心となって今日の報酬をベースとした動機付けによるトレーニングが広まったせいかもしれません。

マジシャンの大切にしているミスディレクション、心理誘導は動物のコントロールにも有効なんではないか、そう思いついたのが10年近く前でしたが、一度実験的なイベントを開いただけで、その後悶々とこの可能性について考え続けていました。

マジシャンの聖寿さんに試してもらいました。犬はしっかり心理誘導されます。鳥もです。

ということは、おやつの出現と消失において、動物の予想できない現象を飼い主が起こせる、つまり動物目線でいえば、「うちのママは何もないところからおやつを出してくれる」というミラクルな尊敬を得ることができるということになります。

マジックのミスディレクションはある意味演技力。そして心理面の知識。これはそのまま良い飼い主の条件でもあります。

まだまだ研究中ではありますが、Magic in TrainingはD.I.N.G.O.の大切なメニューになっていくでしょう。
ショー自体も面白いし、何か習うのも面白いのですが、本当に価値があるのは、プロマジシャンの見事なミスディレクションテクニック。これをじっくり観察し、ご自分と動物とのコミュニケーションに導入していって欲しい、と切に願っています。

ちなみに心理面の誘導はマジックのノウハウですが、行動/ハンドリング面は何がお勧めかというと、ずばり太極拳だと思っています。戦いではなくもはや健康維持のための体操のようなニュアンスを感じられる方も多いと思いますが、太極拳の動きにはすべて意味があり、そしてその意味の背景にある人本来の行動パターンが実に動物の行動パターンとも似ているからです。

太極拳の考えがどこに活かせるかと言えば、ずばりハンドリングです。立ち方から身のこなし、リードさばきにまで参考になることが多いと思います。Tタッチのデビー・ポッツは、彼女のグランドワークで素晴らしいハンドリングを披露してくれますが、その彼女も太極拳にインスパイアされていると言えば、ご理解いただけるのではないでしょうか。
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いつかTAI CHI in Animal Trainingというタイトルのワークショップを老師のご協力のもとに実現したいと思います。

以前からD.I.N.G.O.ではクリッカートレーニングを独自に昇華させるアプローチとして、武士道をリスペクトし、精神面から技術面まで出来る限り参考にさせていただいています。相手への気持ちから間合い、立ち居振る舞い、すべてがクリッカートレーニングでもそのまま見習えるからです。
そういった信念を伝えたくて作ったのが、THE BAMBOO CLICKER [DVD]。
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もうすっかり伝説となり、出演している末川INは武道の経験を活かしたクリッカースペシャリストとして大活躍中です。


アニマルトレーニングを学ぶには、やはりどこかで動物の根源にアプローチする他ジャンルの知識が必要だなぁと、つくづく感じます。

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そうそう、恒例のルナお預かり中です。時々会える昔の仲間、みたいな安心感があるルナとの共同生活も楽しいんです。


NIGHT SAFARI SINGAPORE

タイトスケジュールのシンガポール視察。バードパークを朝からすっかり堪能しおなかいっぱい状態だったのですが、軽く休憩した後にこれまた有名なナイトサファリに行ってきました。

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ユニークなことに、この動物園は夜しかやっていません。ナイト専門です。そのかわりお隣には立派なシンガポールズーがあります。そこも素敵らしいのだけど、時間の都合で今回は割愛(どうやら石綿さんは既に行ったことがあるらしい)。

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もう入り口からわくわくします。ディズニーランドのような徹底したエンターテイメントのコンセプトが貫かれている感じです。ゴミ一つ落ちていない施設の清潔感、音響にしっかりお金をかけているところ、スタッフの教育などにそれを感じます。

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もちろんお土産関係も充実。そして食事も充実していました。

ステージショーも素直に楽しめる内容で、トークのうまいスタッフとトレーニングされた動物たちが登場します。どんなトレーニング法なのか、失敗を避けるためにどんな工夫がされているのか、興味津々です。
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限られた時間を有効に使えるよう、来場者の好みに合わせていくつかの徒歩で回れるコース、気軽のすべてを見ることができるトラム(連結自動車両)、そしてVIPのためのちょっとお高いプライベート カートツアーがあります。
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私たちはトラムで回りましたが、最低限の明かりの中、ライトを消したトラムが静かに動き回り、上手な展示と相まって多くの動物の夜の姿を見ることができました。
あまりにも暗いので残念ながら写真は有りませんが、4~50分の楽々ツアーで十分堪能できました。疲れている時は歩か無くて済むこのツアーが一番いいかも。

動物そのものを見たい方には昼のシンガポールズーの方が良いのでしょうが、ディズニーランドのジャングルクルーズなどを彷彿とさせる施設全体の雰囲気、そしてその中で食べる食事のだいご味は格別でした。

大胆にも夜しか営業しないという戦略は、昼間の時間を動物たちのメインテナンスに費やすこと、そして施設そのものを夜専用に設計できるという二つの大きなメリットがあって、その分深夜まで大勢の来場者が連日訪れているようです。

JURONG BIRD PARK

シンガポールの視察に行ってきました。
2泊3日の強行軍。動物が好きな人にとって、まさに楽園のシンガポールを集中して体験してきました。

まず世界一を誇るジュロンバードパーク。
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世界一が広さなのか鳥の数、種類なのかわかりませんが、どちらも断トツな感じがします。

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その広さも環境管理も、そしてショーも素晴らしいものでした。

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日本の施設におけるバードショーは、ルーツが同じだったり運営が同じだったりでメニューも似ているのですが、バードパークのものはさすがにオリジナリティがあり、またエンターテイメントとしての演出もプロフェッショナルです。
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立派なショーエリアで毎日行われています。
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オオハシさんもショーに登場です。
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特にフィナーレは圧巻。
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世界一というだけあって、広大な施設内でも特に高さ30mもの滝まであるフリーフライトエリアがすごいです。
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そしてお楽しみのフィーディングも可能です。他に食べ物はいくらでもあるのに、けっこう寄って来てくれます。
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広大なエリアにたくさんの鳥がいて、その健康管理、繁殖の管理をどう行っているのか興味津々です。

美味しいバイキングの食事を提供するレストランでも鳥のショーが行われるので、ご飯を食べながら間近でショーが見られます。まさに鳥漬けの一日を過ごせます。

鳥好きの方、アニマルトレーニングに興味がある方には本当にお勧めの施設でした。

レーザーポインターによるターゲットトレーニング

 前々から考えていた、レーザーポインターとクリッカーを合体させたトレーニングツールを作ってみました。

レーザーポインター付きクリッカー

 レーザーポインターで光のドットを映し、それをターゲットにしたクリッカートレーニングを行うためです。

 ドットを固定しておけば、 レーザーポインターで示した場所に行くというトレーニングを行うことができます。
 ドットを動かせば、プロンプトとして追いかける行動をキャプチャーできます。

 まず道具ですが、日本工業規格によるPSCマークがついたものを使います。
これは0.2mW=1mW程度の出力で、短時間なら人が直視しても問題無いとされています。おもちゃやプレゼンテーションで使われているようなものです。(ただし赤色以外は出力が強いようです)
 ちなみに2001年の法規制以前に販売されていたレーザーポインターやレーザーマーカーなどは危険な場合がありますので使用しない方がいいです。

 PSCマークのものは安全ですが、その分、日中の屋外では明るさが十分になく使えないので、屋内、もしくは暗い時にトレーニングします。

 トレーニングですが、多くの犬は初めて移動する光の点を見ると興奮して追いかけることが多いと思います。(猫もそうなので、猫用おもちゃとしての製品もあります)

 追いかけるのは狩猟本能。大脳辺縁系が反射的に指令を出す、制御の難しい行動です。
 こればかり、面白がってやっていると大変なストレスになると思います。獲物を捕まえることが永遠にできないからです。

 そこでクリッカーでシェイピングをしていきます。目的から手段に変えていくためです。
 ピンポイントではなく、大体ドットのあるあたりに行くことをクリックして行きます。

 本能全開だとクリック音にも気がつかないかもしれません。
 興奮レベルを高めすぎないようにタイミングを見計らってクリックします。
 ふと我に返ってトリーツを探すようになってくれればしめたものです。

 本能対理性の戦いです。

 繰り返していれば理性が勝つ、つまりクリッカーが鳴る行動の方を優先し、狩猟本能でムキになる状態を減らしていけると思います。

 これは内的報酬によるモーターパターンでお困りの方にはそれ自体でとても良いエクササイズになるでしょう。

 逆に本能の目的行動ではなく、クリッカーを鳴らしてもらうための手段と認識するまでちゃんとトレーニングしてあげないとかわいそうです。

 でも本当にすごいのはそこから。

 人の手が届かない狭いところ、高いところ、遠いところにも瞬時にターゲットを出現させることができます。
 同時に、瞬時にターゲットを消失させることもできます。
 ですので、プロンプトとして用いる場合もその引き上げが非常に楽になります。

 これを活かせシーンはいろいろ思いつきますね。
 1950年代のアニマルビヘイビアエンタープライズでは、カラスをスパイの家に向かわせるために、当時としては最先端で非常に高価だったであろう器械が巨大なレーザーポインターを使用していました。

 見るだけでクリックすればタレント犬のエイムに使えます。視線コントロールですね。

 基準をクリアしているとはいえ、くれぐれも人や犬の眼に向けないよう、安全で楽しいトレーニングを目指してください。

犬との(楽しい)暮らし

皆さん犬との暮らしをどんなふうにイメージしていた、あるいはしているんでしょう。
イメージ通りに犬を飼っている人ってどのくらいいるんでしょう?

あんまりイメージ先行だと、実際に飼い始めた時、予想と違うことに戸惑ったり焦ったり。

先に犬のことを良く学んでから犬を迎えればだいぶ違うと思うんですが、なぜか人は犬を第一印象で決めてしまうことがほとんどです。見てもわからないから、しつけでどうにでもなると思うから、というのがその理由かもしれないけど、15年前後共に暮らすパートナーを選ぶにしてはあまりに無謀です。
ペットショップで「可愛いから」衝動買い、も、シェルターで「かわいそうだから」迎えてしまうのも、どうなんだろうって思います。

極端な例は、犬と一緒に活発に屋外でのアクティビティを楽しみたい人が、おとなしい犬を迎えてしまう、あるいは逆におとなしい方がとても活動的な犬を迎えてしまう。
これ笑い話では済まないくらい大きなストレスを抱えることになりますね。

いわゆる「ミスマッチ」です。

日本では特に「終生飼養」が強く叫ばれているので、良い人ほど、ミスマッチのまま暮らしていたりします。お互い不幸な状態です。
犬を捨てることが良くないのであって、飼育放棄イコール捨てる、ではありませんから、よりマッチングするペアを模索するような活動があっても良いような気がするんですが、どうも声高に訴えるには時期尚早なのかな、なんて思っています。

家族で旅行に行きたいのにフェラーリを買ってしまった。サーキットでスポーツ走行がしたいのに4ドアのファミリーセダンを買ってしまった。車ならミスマッチはわかりやすいし、下取り交換もありですが、こと生命の問題になるとミスマッチであっても終生飼養だ、ってことになるので、ますます最初の犬選びは慎重に、とお伝えするしかありません。

犬種特性やら、早期社会化やら、犬を迎えるために必要な知識や情報は山のようにあります。よい情報も悪い情報もあるでしょう。だから勉強が必要なんだと思います。
ただこういった勉強は犬を好きなら苦痛ではなく、むしろわくわくする楽しいものになるはずです。

画像 206

ほとんど面識のない3頭が並んで写真を撮っています。手前からモネとプリンちゃんとビルくんです。
3頭は仲良しでもなければいがみ合う関係でもありません。それでもこんなに寄り添えるのはそれぞれの犬がそれぞれの飼い主を完全に信頼しているからでしょう。「この状況を飼い主は把握しており、だから私は安全なはずだ」と犬たちは思っているに違いありません。
タレント犬クラスでは定番のセッションですが、安全管理をしながらこういう経験、つまりなにも事件は起こらなかったという経験を積み重ねることで、他犬を受け入れやすくなるのだと思います。
犬同士遊ばせようとするのは、仲良しになるか天敵になるか、どちらにしても興奮するシチュエーションなので、ドーパミンやらアドレナリンやらがドバっと出て、興奮症になってしまいます。

画像 226

茂原クラスの犬たちはすでに面識があり、ある程度慣れはいますが、それでもこんなに並んで記念写真を撮ることはあまりないので、いささか緊張気味。特に飼い主さんが緊張していれば余計にそうなります。
それでもみんな頑張って桜の下で素敵な写真が撮れました。
ここで褒めてあげたいのは他犬との関係ではなく、それぞれの犬がそれぞれの飼い主を信頼したことなんです。
大事なのは、そばに犬がいてエキサイティングな事が始まるのではなく、何も起きない事。

画像 192

モネとはルフトが子犬のころからの関係。同居はしていませんがよく合う仲です。
ルフトの成長に合わせてモネも上手に付き合ってくれました。
こんな接近した状態で一緒にご飯を食べるというのは実はかなり危険なこと。よい子はまねしないでくださいレベルです。もちろんこの2頭は問題ありません。もめたこともないし、緊張状態にもなりません。
それはなぜか?そしてそんな状況が普通ではないのはなぜか?犬目線で考えれば明白なんですが、人はすぐ擬人化して人間のルールで犬の関係を推し量ろうとするので事故も起きてしまいます。

犬とどんな暮らしがしたいのか、どんなイメージを持っているのか。
それを実現するためにどれだけの勉強と調査をしたのか。
とても気になります。

ずっと自問自答しているテーマでもあります。
それらの努力によって、私自身、「私の愛犬は幸せです」って堂々と言える日が来るのでしょうか。
画像 218

プロフィール

のいぱぱ

Author:のいぱぱ
やっぱりサモエドが大好きです。
抜け毛がものすごくても、頑固でマイペースでも・・・。
運命の出会いで一緒に暮らすことになったルフトと、最新の科学的な理論をバックボーンに信頼関係を楽しく築いて行きたいと思います。

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