サモエドLUFT大研究

先住のサモエド犬ノイを胃捻転で失い、その直後に偶然から出会ったノイと同じ誕生日のサモエド、2007年2月27日札幌生まれのルフトと、持てる知識をフル動員して良い関係造にはげんでいます。

2008-07

なぜヒールポジションの付け直しは癖になるのか

ヒールポジション(客側停座)のゆがみは、じゃまいかが後々まで影響してしまう典型的なケースだと思います。
どの角度なら正解でどの角度だと不正解か、前後のベストポジションはどこか。犬に対して求めていることがあいまいなままトレーニングを始めてしまうと、犬はヒールポジションをなかなか正しく理解できません。

でも試験などを視野に入れてトレーニングし直す必要が出てくると、それが簡単ではないことを思い知らされるのです。
じゃまいかによって間違ったヒールポジションを(十分に)学習してしまった犬はそれを忘れることがなかなかできません。強化の歴史によってマッスルメモリーにインプットされてしまったからです。本当に最初が肝心なんですね。

・それでも何とかポジションを直さなければならない。
・幸いトレーニングの知識は蓄えている。
・クリッカーも使ってみよう。

そうなったときに、また罠が待ち構えているのです。

それはオペラントの罠・・・。

○いつものキューでヒールポジションにつけさせる。
○もちろんまがっているので、目線や体をひねってサインを出し、何とか正しい位置に持っていこうとする。
○正しい位置に直そうとする行動が出たらすかさずクリック。
○それを繰り返す。


もうお分かりですね。
いつものキューでいつもの(まちがった)ポジションに入ることは良くも悪くも完成しています。そしてそれとは別のメニューで、プロンプトを出しながらより正しい位置へ移動する行動を強化しています。このときのプロンプトもあっという間にキューになります。
つまり体をひねる、目線や手を誘導的に動かすという動作が新たなキューとなって、姿勢を直すという行動が誘発され、それに対してC&T 、つまりクリックしてご褒美となっているのです。

姿勢を直すということが行動として強化されていますから、犬にとってはまず間違ったポジションからスタートしないといささか不都合です。そもそもそれまでのヒールポジションは否定もされていませんから、まずその角度に収まる。そしてその段階ではもはや一次強化子は出ませんからすぐにセット学習した「正しいヒールポジションに移動する行動」を実行します。ここでおやつが出るはずだと犬は思っているでしょう。
位置の修正を行動として覚えた犬は当然ですが何度もその行動を繰り返そうとします。つまり何度も位置の修正をしたがるのです。状態としての学習ではないのでじっとしていることは困難です。そこに留めるたったひとつの手は、ご褒美を出すタイミングを遅らせていくこと。
この状態、たいてい「位置の修正行動をしました。おやつください」という熱い目線でアイコンタクトをしているはずです。そこでおやつが出なければ犬は失望しますので、ぎりぎりのタイミングでずらしていくことが求められます。でもこれで強化しているのは主にアイコンタクトですね。

犬のトレーニングを始めたころの何気ない「じゃまいか」が、こんなに影響してしまうのです。怖いですね。

さて、ではどうすればいいのか?
いちばん簡単なのは、それまでのキューをあっさり捨ててしまうこと。キューを変えずに学習した行動を修正するのは大変だからです。
新たに理想的な位置を、できれば古典的的に条件づけて、そこにまっさらのキューを乗せましょう。
これは簡単ですね。
大事なポイントはじゃまいかを徹底的に排除すること。それから要求レベル(角度の誤差)をいきなり高く設定せず、シェイピングの理論を用いて仕上げていくこと。その際にリミテッドホールドを設けること。オーバーシャドーを意識して最初から出さないよう気をつけること。
そんなところでしょうか。

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のいぱぱ

Author:のいぱぱ
やっぱりサモエドが大好きです。
抜け毛がものすごくても、頑固でマイペースでも・・・。
運命の出会いで一緒に暮らすことになったルフトと、最新の科学的な理論をバックボーンに信頼関係を楽しく築いて行きたいと思います。


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