噛むのは攻撃性か
ヒトは手を道具として使います。そしてコミュニケーションには主に言葉を用います。
犬は口を道具として使います。そしてコミュニケーションにも口を良く用います。
よく人は噛まれます。
そして「この犬には攻撃性がある」と評価します。
なぜ噛むのか、という犬側の理由を科学的に考えるよりも先に、感情的に「悪い犬」と断定されてしまうわけです。
犬が噛む理由を本当に理解するには、犬の起源や進化の道筋、そして学習の原理などから掘り下げていかなければなりません。もちろん医学的な理由も考えられますから、そういった知識も必要でしょう。
最近よくテレビで野生動物のドキュメントものをやっています。環境の変化などにより絶滅が危惧される動物、自然界の厳しい掟(おきて)などがテーマになっているようです。
そういった動物たちを見ていると、生き延びることに必死な様子がうかがえます。多くの動物が常に餓死の危険を抱えて生きているようです。
3つの本能。捕食、繁殖、危機回避・・・。
すべてが種として生き延びるために欠かせない大切な本能であり、これらの行動には快楽物質であるドーパミンが脳内でたくさん生成されるようにできているんですね。
さて、動物が餓死しないために、限られた食糧を有効に使うには、効率の良い捕食とエネルギーの保存が重要です。1000カロリーの栄養を採るために1000カロリーのエネルギーを消費してしまっては何もならないからです。
食べた食料はしっかりと吸収します。
そして蓄えたエネルギーはなるべく使わないようにします。そうやって餓死の危険から遠ざかるようにしているからです。
ちなみに脳細胞は筋肉細胞のおよそ7倍カロリーを消費するといわれています。そして脳細胞が吸収するエネルギーのおよそ8割がブドウ糖であるとも言われています。どういうことかというと、体を動かすより頭を使う方が栄養不足を招きやすいということです。
限られたエネルギーを有効に使って生き延びていくためには、体も頭も、なるべく働かせないようにしていなければならないのです。
この事実は、地球の歴史上最も体脂肪率の高い動物である人間にはちょっとリアリティがないようですが、実は切実な問題です。
捕食、繁殖、危機回避。この3つの本能に裏付けられ動機がなければ、動物は余計なことをしません。歩くことさえしないでしょう。エネルギーを大量に使う争いなんてもってのほかです。

この写真のような「遊び」はどうでしょう?
これは本能に根ざした行動のリハーサルという意味を持っています。ですから発展途上の子供がよく遊ぶわけです。
ちなみに犬は野生動物であるオオカミに比べて極めて幼いまま生涯を終える動物であるという見方があります。脳の成長がオオカミの4か月齢程度で止まってしまうからです。だから犬は結構大人になっても遊ぶことが多い動物なのだと思います。同時に家庭犬では餓死の危険も感じていないでしょうから、無理に大人になる必要もないのでしょうね。
さて、犬は人間のように器用な手や言語を持っていませんから、いろいろなことに口を使います。道具としてもコミュニケーションツールとしても様々な形で口を使うわけです。つっついたり、咥えたり、舐めたり、かじったり・・・。
たいてい(人への)メッセージは目線から始まると思います。それからポーズ。そしてヴォーカリゼーション、つまり発声です。
残念ながら人は犬の小さなメッセージをトレーニング無しではなかなか読み取ることができません。
したがって人が反応し始めるのは犬が声を出してから・・・。
声によメッセージも小さなため息程度の発声から大声で吠えるレベルまでいろいろです。最も飼い主が反応してくれる発声法を学んでいきます。小さい犬なら「クゥーンクゥーン」という声が効果的でしょう。
大声になっても通じなかったら、あるいはその方が効果的だったら犬は身体的な接触を用い始めるでしょう。
さりげなく人に接触する、よりかかる、飛び乗る、手をかける、舐める・・・・。
いろいろな接触方がありますが、そのなかで「やめてほしい」というメッセージを強力に伝えられるのがタイトルの「噛む」という行動です。
噛むにも7段階くらいあって、スナップからキルバイトといった名称がつけられていますが、ようするに大声の先にあるもの、あるいはそれ以上に強力なメッセージ、という解釈が理にかなっています。
犬が相手を本当に攻撃する時、それは相手を食べるためか、身の危険を感じ、自分(達)を守るため以外にはないのです。
攻撃的なそぶりであっても、そこに理由がないのなら、それは人に対するメッセージなのです。
犬は口を道具として使います。そしてコミュニケーションにも口を良く用います。
よく人は噛まれます。
そして「この犬には攻撃性がある」と評価します。
なぜ噛むのか、という犬側の理由を科学的に考えるよりも先に、感情的に「悪い犬」と断定されてしまうわけです。
犬が噛む理由を本当に理解するには、犬の起源や進化の道筋、そして学習の原理などから掘り下げていかなければなりません。もちろん医学的な理由も考えられますから、そういった知識も必要でしょう。
最近よくテレビで野生動物のドキュメントものをやっています。環境の変化などにより絶滅が危惧される動物、自然界の厳しい掟(おきて)などがテーマになっているようです。
そういった動物たちを見ていると、生き延びることに必死な様子がうかがえます。多くの動物が常に餓死の危険を抱えて生きているようです。
3つの本能。捕食、繁殖、危機回避・・・。
すべてが種として生き延びるために欠かせない大切な本能であり、これらの行動には快楽物質であるドーパミンが脳内でたくさん生成されるようにできているんですね。
さて、動物が餓死しないために、限られた食糧を有効に使うには、効率の良い捕食とエネルギーの保存が重要です。1000カロリーの栄養を採るために1000カロリーのエネルギーを消費してしまっては何もならないからです。
食べた食料はしっかりと吸収します。
そして蓄えたエネルギーはなるべく使わないようにします。そうやって餓死の危険から遠ざかるようにしているからです。
ちなみに脳細胞は筋肉細胞のおよそ7倍カロリーを消費するといわれています。そして脳細胞が吸収するエネルギーのおよそ8割がブドウ糖であるとも言われています。どういうことかというと、体を動かすより頭を使う方が栄養不足を招きやすいということです。
限られたエネルギーを有効に使って生き延びていくためには、体も頭も、なるべく働かせないようにしていなければならないのです。
この事実は、地球の歴史上最も体脂肪率の高い動物である人間にはちょっとリアリティがないようですが、実は切実な問題です。
捕食、繁殖、危機回避。この3つの本能に裏付けられ動機がなければ、動物は余計なことをしません。歩くことさえしないでしょう。エネルギーを大量に使う争いなんてもってのほかです。

この写真のような「遊び」はどうでしょう?
これは本能に根ざした行動のリハーサルという意味を持っています。ですから発展途上の子供がよく遊ぶわけです。
ちなみに犬は野生動物であるオオカミに比べて極めて幼いまま生涯を終える動物であるという見方があります。脳の成長がオオカミの4か月齢程度で止まってしまうからです。だから犬は結構大人になっても遊ぶことが多い動物なのだと思います。同時に家庭犬では餓死の危険も感じていないでしょうから、無理に大人になる必要もないのでしょうね。
さて、犬は人間のように器用な手や言語を持っていませんから、いろいろなことに口を使います。道具としてもコミュニケーションツールとしても様々な形で口を使うわけです。つっついたり、咥えたり、舐めたり、かじったり・・・。
たいてい(人への)メッセージは目線から始まると思います。それからポーズ。そしてヴォーカリゼーション、つまり発声です。
残念ながら人は犬の小さなメッセージをトレーニング無しではなかなか読み取ることができません。
したがって人が反応し始めるのは犬が声を出してから・・・。
声によメッセージも小さなため息程度の発声から大声で吠えるレベルまでいろいろです。最も飼い主が反応してくれる発声法を学んでいきます。小さい犬なら「クゥーンクゥーン」という声が効果的でしょう。
大声になっても通じなかったら、あるいはその方が効果的だったら犬は身体的な接触を用い始めるでしょう。
さりげなく人に接触する、よりかかる、飛び乗る、手をかける、舐める・・・・。
いろいろな接触方がありますが、そのなかで「やめてほしい」というメッセージを強力に伝えられるのがタイトルの「噛む」という行動です。
噛むにも7段階くらいあって、スナップからキルバイトといった名称がつけられていますが、ようするに大声の先にあるもの、あるいはそれ以上に強力なメッセージ、という解釈が理にかなっています。
犬が相手を本当に攻撃する時、それは相手を食べるためか、身の危険を感じ、自分(達)を守るため以外にはないのです。
攻撃的なそぶりであっても、そこに理由がないのなら、それは人に対するメッセージなのです。
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はじめてコメントさせていただきます
こんにちは(^^)
ののとお世話になっていますさいとほ。です。
いつも読み逃げ…していました。すみません(^^;
最近見つけた動画で、
口を使って上手にコミュニケーションしているなーと
感心したものがありました。
BlindとDef&Blindの二頭とDef&Blindの二頭の様子です。
http://uk.youtube.com/watch?v=NdoAwXStz9E
http://uk.youtube.com/watch?v=fMkTjDf1S90
お互いに相手を傷つけることもなく、
興奮しすぎることもなく、
上手にコミュニケーションしています。
ののとお世話になっていますさいとほ。です。
いつも読み逃げ…していました。すみません(^^;
最近見つけた動画で、
口を使って上手にコミュニケーションしているなーと
感心したものがありました。
BlindとDef&Blindの二頭とDef&Blindの二頭の様子です。
http://uk.youtube.com/watch?v=NdoAwXStz9E
http://uk.youtube.com/watch?v=fMkTjDf1S90
お互いに相手を傷つけることもなく、
興奮しすぎることもなく、
上手にコミュニケーションしています。
さいとほ。さん
噛む強さ、口の使い方というのは、映像を拝見すると本当に大きな意味を持ちますね。それによって自分の気持ちを伝えている様子がよくわかりました。すてきですね。