絆造りとルール作り
犬との暮らしで「しつけ」は大変重要な要素であるけれど、人が犬に求めているものには実は2種類あることを忘れてはいけないと思います。
ひとつが絆(きずな)。
人と動物の共生、ヒューマンアニマルボンドという表現もされる部分です。
お互いに信頼しあい、あうんの呼吸で以心伝心、気持ちがわかりあえる状態です。
ここで誤解されるのがアイコンタクト。
犬には本来ずっと相手を見つめるなどという習慣がありません。動物全般でいえば相手を見ているのは警戒しているときか獲物として狙っているときです。
でも人間同士は愛をアイコンタクトで伝え合います。
で、その習慣を犬にも求めます。
それがアイコンタクト。
見つめあうことで絆を確かめたい。
見つめあっている姿は外から見ていても絆が感じられて温かい気持ちになれます。
でもこれも人間の都合です。
教えなければ本来はしないことです。
アイコンタクト=絆 という人側の認識はそろそろ見直されるべきかもしれません。
もうひとつがルール。
人間社会で暮らしていく上での約束事です。
しつけと呼ばれるもののほとんどは、実は人と犬とのルール作りなんです。
ルールを作るのは絆造りとは別の作業です。
そしてここでは行動分析学やら学習理論やら、オペラント条件付けやらレスポンデント条件付けが活躍するわけです。
こういった科学的なトレーニングをするときに大事なのは、学習理論の中に「飼い主」とか「絆」は登場しないということです。
行動の結果報酬が得られるのか、得られないのかということが基本になっていますから、その操作をするものは飼い主である必要はなく、むしろ機械の方がより正確に良い学習を犬に繰り返させることができます。
うちの子はオスワリできます。
と人が言うとき、そこには二つの要素が存在します。
1. オスワリを犬が知っているのか
2. オスワリと言われた時に犬がそれをする理由があるのか
オスワリを覚えていなければ、そもそもオスワリと言われても座ることはできません。
でもちゃんと覚えていてもしてくれない時が多々あります。
それはなぜでしょうか?
大抵ここで般化と弁別という話になって、いろいろな場所で練習することの大切さが説明されます。
そもそもモチベーショナルトレーニングというのは、動機付けによるトレーニングです。
動機がなければ学習しないわけです。
となるとその動機が行動の直後の食べ物なのか、それともそれ以外に何かなのかが重要になります。
オスワリを完全に覚えている犬は、程度の差こそあれ、ちゃんと般化もできるはずです。
家の廊下でできるのなら、教えていなくてもリビングでもオスワリできるでしょう。
そういう犬が外でオスワリできないとしたら、般化と弁別以外にそのわけを探ってみるべきではないでしょうか。
ルールを作る(新しいことを教える)には学習理論を応用することが最適です。そしてこれは飼い主や絆というものとは無関係に進めることができます。
一方で、おやつなしでもいつでもどこでも言ったらやってもらえる関係は絆がベースになければ困難です。
つまり動機付けの「動機」を絆に持っていくプロセスこそがヒューマンアニマルボンドに迫るための一番大事なカギとなっていると私には思えるんです。
さてこの絆。どうやって造るんでしょうか。
ベースは信頼関係です。お互いに約束を破らない、ルールを守る。そういうことが基本です。
ある時はOKなのにある時は駄目。気分によってほめられたり叱られたりする。そういう状況では絆の元になる信頼関係は作りにくいでしょう。
それとコミュニケーション。相互にメッセージが伝わる関係でないと(コミュニケーションギャップ)、信頼関係は作りにくいはずです。
信頼関係は優しさとはイコールではありません。いつも怒っている人、悪さをすると叩く人でも、その行動が一貫しているなら、そこに信頼関係は生まれると思います。
人間側の独りよがりにならない、人と動物との絆を改めて考えてみなくちゃですね。
ひとつが絆(きずな)。
人と動物の共生、ヒューマンアニマルボンドという表現もされる部分です。
お互いに信頼しあい、あうんの呼吸で以心伝心、気持ちがわかりあえる状態です。
ここで誤解されるのがアイコンタクト。
犬には本来ずっと相手を見つめるなどという習慣がありません。動物全般でいえば相手を見ているのは警戒しているときか獲物として狙っているときです。
でも人間同士は愛をアイコンタクトで伝え合います。
で、その習慣を犬にも求めます。
それがアイコンタクト。
見つめあうことで絆を確かめたい。
見つめあっている姿は外から見ていても絆が感じられて温かい気持ちになれます。
でもこれも人間の都合です。
教えなければ本来はしないことです。
アイコンタクト=絆 という人側の認識はそろそろ見直されるべきかもしれません。
もうひとつがルール。
人間社会で暮らしていく上での約束事です。
しつけと呼ばれるもののほとんどは、実は人と犬とのルール作りなんです。
ルールを作るのは絆造りとは別の作業です。
そしてここでは行動分析学やら学習理論やら、オペラント条件付けやらレスポンデント条件付けが活躍するわけです。
こういった科学的なトレーニングをするときに大事なのは、学習理論の中に「飼い主」とか「絆」は登場しないということです。
行動の結果報酬が得られるのか、得られないのかということが基本になっていますから、その操作をするものは飼い主である必要はなく、むしろ機械の方がより正確に良い学習を犬に繰り返させることができます。
うちの子はオスワリできます。
と人が言うとき、そこには二つの要素が存在します。
1. オスワリを犬が知っているのか
2. オスワリと言われた時に犬がそれをする理由があるのか
オスワリを覚えていなければ、そもそもオスワリと言われても座ることはできません。
でもちゃんと覚えていてもしてくれない時が多々あります。
それはなぜでしょうか?
大抵ここで般化と弁別という話になって、いろいろな場所で練習することの大切さが説明されます。
そもそもモチベーショナルトレーニングというのは、動機付けによるトレーニングです。
動機がなければ学習しないわけです。
となるとその動機が行動の直後の食べ物なのか、それともそれ以外に何かなのかが重要になります。
オスワリを完全に覚えている犬は、程度の差こそあれ、ちゃんと般化もできるはずです。
家の廊下でできるのなら、教えていなくてもリビングでもオスワリできるでしょう。
そういう犬が外でオスワリできないとしたら、般化と弁別以外にそのわけを探ってみるべきではないでしょうか。
ルールを作る(新しいことを教える)には学習理論を応用することが最適です。そしてこれは飼い主や絆というものとは無関係に進めることができます。
一方で、おやつなしでもいつでもどこでも言ったらやってもらえる関係は絆がベースになければ困難です。
つまり動機付けの「動機」を絆に持っていくプロセスこそがヒューマンアニマルボンドに迫るための一番大事なカギとなっていると私には思えるんです。
さてこの絆。どうやって造るんでしょうか。
ベースは信頼関係です。お互いに約束を破らない、ルールを守る。そういうことが基本です。
ある時はOKなのにある時は駄目。気分によってほめられたり叱られたりする。そういう状況では絆の元になる信頼関係は作りにくいでしょう。
それとコミュニケーション。相互にメッセージが伝わる関係でないと(コミュニケーションギャップ)、信頼関係は作りにくいはずです。
信頼関係は優しさとはイコールではありません。いつも怒っている人、悪さをすると叩く人でも、その行動が一貫しているなら、そこに信頼関係は生まれると思います。
人間側の独りよがりにならない、人と動物との絆を改めて考えてみなくちゃですね。
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No title
優しさと信頼関係はイコールではない…
たとえいつも怒っていたとしても、その行動が一貫しているのなら、そこに信頼関係は生まれるかも…
いつもいつも読んでいて、考えさせられます。
その前の、「解放の合図のタイミング」等、頭の悪い私には少しこんがらがってしまいそうです…苦笑
ですが、こういったことを常日頃から考えることが、ヒトとイヌとのこれからをよりよくするために必要なことですものね。
本当に参考になります。
たとえいつも怒っていたとしても、その行動が一貫しているのなら、そこに信頼関係は生まれるかも…
いつもいつも読んでいて、考えさせられます。
その前の、「解放の合図のタイミング」等、頭の悪い私には少しこんがらがってしまいそうです…苦笑
ですが、こういったことを常日頃から考えることが、ヒトとイヌとのこれからをよりよくするために必要なことですものね。
本当に参考になります。
なつのきさん
犬との暮らしに科学を持ち込む際、一番大事なのはそれぞれの情報ではなくて、科学的に考えるというスタンスを見習うことにあると思うんです。
つまり「なんで?」という疑問を常に忘れないこと。その情報が理論的であるかどうかということ、あるいは十分な数をもとにしたデータであるかどうかということ。
で改めていろんなことを別の角度から見直してみると、結構これまでの理論って矛盾だらけなんですね。
それはそのまま犬の混乱につながるから、少しでも犬にわかりやすいコミュニケーションをお互いに目指していきましょうね。
つまり「なんで?」という疑問を常に忘れないこと。その情報が理論的であるかどうかということ、あるいは十分な数をもとにしたデータであるかどうかということ。
で改めていろんなことを別の角度から見直してみると、結構これまでの理論って矛盾だらけなんですね。
それはそのまま犬の混乱につながるから、少しでも犬にわかりやすいコミュニケーションをお互いに目指していきましょうね。