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問題行動の修正

犬の問題行動の修正というのは結構深刻な場合もあり、飼い主にとっては重大な関心ごとの一つだと思います。
それは大別すれば以下のような事柄でしょうか。

・トイレがうまくいかない
・引っ張る
・吠える
・飛びつく
・咬む
・破壊する
・盗み食い

こういったことは動物本来の生活様式としてはすべて理にかなっているもので、だからあえて教えなくても勝手に学習が進む最たるものですね。

私たちがしつけと称して犬に教え込もうとしているのは、人との暮らしに犬が合わせることにほかなりません。
だから犬がもともと持っているルールではないことを、環境や状況という条件付けで学習させるということになります。

私たち日本人がおそばを食べるときには景気良く音を立てて「啜る」(すする)ことをします。

ざるそばなんざぁ、派手な音を立てて食べないと江戸っ子たぁ言えません。
「しみったれた食べ方をするんじゃねぇ」と、こうなります。

ところがこれ、欧米のレストランでやったら顰蹙(ひんしゅく)もんです。
パスタを食べるときに吸い込む音なんか立てたら、周囲の冷たい視線が一斉に襲い掛かります。

日本人が犬、欧米人がハンドラーだったらどうでしょう?
ずいぶん叱られたでしょうね。
もしかしたらハンドラーの前では麺類を食べなくなるかもしれません。

「おそばは大好きだけど叱られるのは嫌だ」「だから食べたくない」

私たちは犬たちのもともと持っているルールを尊重しながら、でも人間社会では人間のルールを守るということを感情を交えずに、むしろ楽しいこととして教えていくことが大事だと思います。

たとえば口を使う行動、咬むとか吠えるとか、は言葉をしゃべれない犬たちにとって、とても便利で手っ取り早い人へのコミュニケーション方法です。
だから代わりになるものをちゃんと用意してあげなければなりません。

「そばをすするな!」「音を立ててパスタを食べるな!」といじめられるだけでは(欧米での)、麺類の正しい食べ方は習得できないのです。

さて、では具体的にどうすればいいのでしょう?

問題行動の多くは、その程度が強すぎる場合に問題となります。
軽く引っ張る、うれしそうに跳ねる、小さな声を出す、歯を当てるふりをする、こんな程度ならあまり問題とはみなされません。

ということは・・・
小さなメッセージのうちにちゃんと聞いてあげて、それがかなうのか、かなわないけれども穏やかなメッセージに対して評価をしてあげるかすれば、犬たちは問題となるレベルの行動をする必要がなくなります。
MODIFICATION.jpg

海外へ向けてのメッセージとして制作したDVD「THE BAMBOO CLICKER」ではクリッカーを用いて小さなメッセージが大きくなる前の瞬間を切り取り固定していく方法をご紹介しています。

大声でほえるなら、息を吸い込んだ瞬間を切り取り、飛びつくのなら、しゃがんだところを切り取ればいいのです。
犬は目的が達成されればそれ以上の行動をしようとはしません。

問題の行動がどんどん悪化している、つまり強化されているのなら、そこには必ずハンドラー側に起因する理由が存在します。
「強化の原理」が知らぬ間に働いているのです。

視点を変えて、発想を転換して、問題行動を克服しましょう。

それからもしあなたがタレント犬トレーニングをするなら、パピーのころに自然にする行動はすべてキューをつけて残しておきましょう。
そうでないと演技でしょっちゅう求められる、「犬の自然な行動」としての飛びつきや引っ張り、吠え、咬みつきはさせられなくなってしまいます。

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のいぱぱ

Author:のいぱぱ
やっぱりサモエドが大好きです。
抜け毛がものすごくても、頑固でマイペースでも・・・。
運命の出会いで一緒に暮らすことになったルフトと、最新の科学的な理論をバックボーンに信頼関係を楽しく築いて行きたいと思います。

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