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子犬の育て方

このところ、子犬の育成について真剣に考えている。
子犬と言っても16週前後の、いわゆるクリティカルピリオドまでの育て方について。
16週と言えばおよそ4か月齢。脳の成長から見ればそこから先はもはや青少年だから、身体的な成熟度や心の安定性を別とすれば、それほど特別なプログラムを必要としているわけではない。

巷ではよく「子犬は3か月齢までは親兄弟と一緒にいさせるべきだ」と言われている。その間に大切な犬のルールや言葉を学ぶからだと。
一理ある話ではあるが、但し書きが付く。親兄弟がちゃんとしているかどうか。そして正しい学習ができる環境であるか。
3か月齢とはすなわち12週齢。脳が育つ最も大切な時期である。
神経回路シナプスが十分残されるだけの刺激がその環境で提供できるかどうかは、その後の脳の成長に重大な影響を及ぼす。
特に8週齢前後と言われている、怖いという感覚が芽生え始める時期までに人間社会で暮らすためのさまざまな刺激に曝しておけるのか。それによって成長期のストレスレベルが大きく変わってくる。

そこまで考えたプログラムによって、特に生まれてから16週あたりまでの時期を重視した子育てをしているケースがこれまであっただろうか。
せっかくの科学者の研究が人間社会でともに暮らす犬たちの育成にちゃんと反映されているのだろうか。

4か月齢の子犬といえば、まだまだ世間を知らないうぶな存在だと人は思う。
しかし、それまでの経験によって脳の80%は出来上がってしまっているのだ。

これはもう、ほぼ「完成品」であると言ってもよい。
賢くて勇気があり、人の望んでいることを理解できる良い犬になるかどうかは、その時点でもう決まっているといっても過言ではない。

人は犬を飼い始めてから問題に直面して初めてしつけのことを考える。
ペットショップでは健康を優先し、良い犬に育てる部分は飼い主に任せている。
ブリーダーは遺伝的疾患や見た目を重視し、良くても親子の社会的な経験を積ませるにとどまっている。

これからは生まれてから16週齢までの時期を担うプロたちが、もっともっと脳を育てるという意識を持ってほしいと思う。
器がちゃんとしていなければ良い情報を詰め込むことはできないからだ。
タイミングを逃すと同じ学習が何十倍も何百倍も大変になる。

それでも犬が育つのは、それだけ犬が柔軟だから。
ヒトと暮らすことを選んで以来1万5千年もの間、人に気に入ってもらうようデザインまで変えて来た犬たちが、余計なストレスを抱えながらもなんとか人に合わせてきたから。

今16週齢までの脳の育て方を意識したハウツーDVDを制作している。EZ-Puppy Part1だ。
いろいろな形で科学的な子育ての大切さを世の中に広めていけたらと思う。

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のいぱぱ

Author:のいぱぱ
やっぱりサモエドが大好きです。
抜け毛がものすごくても、頑固でマイペースでも・・・。
運命の出会いで一緒に暮らすことになったルフトと、最新の科学的な理論をバックボーンに信頼関係を楽しく築いて行きたいと思います。

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