アイコンタクトは「ヒトが犬を見ること」じゃない
犬のトレーニングではアイコンタクトが重視されています。
「見つめあう」という行為が「絆」を感じやすいからでしょう。

でもこれ、完全に人間の習慣だということは忘れないようにしたいですね。
犬同士で見つめあっているのはけん制しているときだけ。どんな親子でも仲良しでも、犬同士はじっと見つめあいません。
むしろ一瞬目を合わせ、それからさっと視線を外す。その外し方に平和的なメッセージが込められています。
ところが人はアイコンタクトをしたがります。「相手の目を見て話す」というマナーというか習慣があるからです。
そんなわけで犬が本来持っていない行動ですから、アイコンタクトは人間のルールとして教えていくことになります。
「人の目を見ているとよいことがある」という学習を進めていくわけです。
動物が本来しない行動を強化するわけですから、それなりにちゃんとやる必要があります。
どんどんアイコンタクトを強化していきます。
で、みなさん頑張って練習するのですが、犬がちゃんと自分を見ているかどうか確かめるためには犬を見張っていなければならないので、結果的に人が犬を常に見ている状態になります。
ずっと見張っていて、犬がこちらを見たら「イイコ!」となるわけです。
これ、犬の立場から考えると、「ヒトは自分を見ているときに褒めたりおやつをくれたりする」という法則が成り立ちます。そして「ヒトが自分を見ていないときにはほとんどいいことが起きない」という裏側の学習にもなるわけです。
見ていてくれないと不安という犬がいます。人が関心を自分に向けていてくれれば安心できるけど、そうじゃないと不安になるわけです。
そこまで行くともう犬の視線依存症です。
野性が強い犬はカメラを向けても視線を外します。これが犬本来の姿。争いを避けるという正しい社会的反応です。
ヒトはついついアイコンタクトを求めますが、ヒトに注意を向けるということと、じっと見つめることとは本当は違うのだと思います。
絆のできた犬は耳をそばだてヒトに注意をむけています。目線の隅のほうで動きを確認しています。
一瞬目を合わせても必要な情報を得たら、すぐに、やさしく目線をそらします。
さまざまなオーバーシャドウを減らし、意識してキューを穏やかな声だけに、そして1回だけ出すようにしていけばそうなるはずです。全身を使って、眼力を使ってキューを出さなければいうことを聞いてくれないのではとても絆とは言えませんものね。
それでもアイコンタクトを求めるかたへ
訓練競技会やフリースタイル競技などでジャッジへのアピールのためにどうしても継続するアイコンタクトが必要な場合はどうしたらいいのでしょう。
リウォードベースド・モチベーショナルトレーニング(報酬をベースとした動機付けによるトレーニング)をしている方なら、キューを極力顔から出せばいいわけです。
報酬、もしくは報酬の約束(二次強化子)も顔から出しましょう。
具体的にはキューを出す時には表情豊かに。そして口に含んだチーズをプッと出してやったり、クリッカーのように行動を切り取る音を舌鼓などで出す感じです。報酬につながる良い知らせはすべてヒトの顔から出るという学習をさせれば、常に顔を見ている犬が出来上がります。
それからタイトルの、アイコンタクトは「ヒトが犬を見ること」じゃないですが、犬はヒトがいつも自分を見ていると、あまりアイコンタクトを継続しなくなります。
時々ちら見して「ああ、ちゃんとこちらを見ているな」と確認するだけになります。
犬がヒトのアイコンタクトを確認している状態です。本末転倒というやつです。
アイコンタクトを練習するなら犬がヒトを見る、という基本を忘れないようにしましょう。
そのためにどうすればよいのか。
簡単です。犬をじっと見つめないようにすればいいだけです。
犬が自分を見ていることを確認するために、トレーニング中は犬のほうをちらっと見るだけにとどめます。そしてちゃんとこちらを見ていたら報酬を与えれば、ご飯のときに食器の前でずっとオスワリしているように、ずっとアイコンタクトしてくれるようになります。
常に犬が先にヒトを見る。ヒトが先に目線を外す。これがコツです。
直視するのではなく、視線の隅で犬を観察する癖をつけましょう。
そしてこちらを見ていたら必ず褒めてご褒美を与えましょう。
それをヒーリングなど、動きの中でもやりましょう。
強力にアイコンタクトする犬が出来上がります。
依存症と思えるほどこちらを見る犬になると思います。
(でもこれ、やっぱり一緒に暮らすパートナーにはあまりやらせたくないです。個人的にはフェイクなボンドという感じがします。絆をアピールするデモには必要なんでしょうけど・・・)
「見つめあう」という行為が「絆」を感じやすいからでしょう。

でもこれ、完全に人間の習慣だということは忘れないようにしたいですね。
犬同士で見つめあっているのはけん制しているときだけ。どんな親子でも仲良しでも、犬同士はじっと見つめあいません。
むしろ一瞬目を合わせ、それからさっと視線を外す。その外し方に平和的なメッセージが込められています。
ところが人はアイコンタクトをしたがります。「相手の目を見て話す」というマナーというか習慣があるからです。
そんなわけで犬が本来持っていない行動ですから、アイコンタクトは人間のルールとして教えていくことになります。
「人の目を見ているとよいことがある」という学習を進めていくわけです。
動物が本来しない行動を強化するわけですから、それなりにちゃんとやる必要があります。
どんどんアイコンタクトを強化していきます。
で、みなさん頑張って練習するのですが、犬がちゃんと自分を見ているかどうか確かめるためには犬を見張っていなければならないので、結果的に人が犬を常に見ている状態になります。
ずっと見張っていて、犬がこちらを見たら「イイコ!」となるわけです。
これ、犬の立場から考えると、「ヒトは自分を見ているときに褒めたりおやつをくれたりする」という法則が成り立ちます。そして「ヒトが自分を見ていないときにはほとんどいいことが起きない」という裏側の学習にもなるわけです。
見ていてくれないと不安という犬がいます。人が関心を自分に向けていてくれれば安心できるけど、そうじゃないと不安になるわけです。
そこまで行くともう犬の視線依存症です。
野性が強い犬はカメラを向けても視線を外します。これが犬本来の姿。争いを避けるという正しい社会的反応です。
ヒトはついついアイコンタクトを求めますが、ヒトに注意を向けるということと、じっと見つめることとは本当は違うのだと思います。
絆のできた犬は耳をそばだてヒトに注意をむけています。目線の隅のほうで動きを確認しています。
一瞬目を合わせても必要な情報を得たら、すぐに、やさしく目線をそらします。
さまざまなオーバーシャドウを減らし、意識してキューを穏やかな声だけに、そして1回だけ出すようにしていけばそうなるはずです。全身を使って、眼力を使ってキューを出さなければいうことを聞いてくれないのではとても絆とは言えませんものね。
それでもアイコンタクトを求めるかたへ
訓練競技会やフリースタイル競技などでジャッジへのアピールのためにどうしても継続するアイコンタクトが必要な場合はどうしたらいいのでしょう。
リウォードベースド・モチベーショナルトレーニング(報酬をベースとした動機付けによるトレーニング)をしている方なら、キューを極力顔から出せばいいわけです。
報酬、もしくは報酬の約束(二次強化子)も顔から出しましょう。
具体的にはキューを出す時には表情豊かに。そして口に含んだチーズをプッと出してやったり、クリッカーのように行動を切り取る音を舌鼓などで出す感じです。報酬につながる良い知らせはすべてヒトの顔から出るという学習をさせれば、常に顔を見ている犬が出来上がります。
それからタイトルの、アイコンタクトは「ヒトが犬を見ること」じゃないですが、犬はヒトがいつも自分を見ていると、あまりアイコンタクトを継続しなくなります。
時々ちら見して「ああ、ちゃんとこちらを見ているな」と確認するだけになります。
犬がヒトのアイコンタクトを確認している状態です。本末転倒というやつです。
アイコンタクトを練習するなら犬がヒトを見る、という基本を忘れないようにしましょう。
そのためにどうすればよいのか。
簡単です。犬をじっと見つめないようにすればいいだけです。
犬が自分を見ていることを確認するために、トレーニング中は犬のほうをちらっと見るだけにとどめます。そしてちゃんとこちらを見ていたら報酬を与えれば、ご飯のときに食器の前でずっとオスワリしているように、ずっとアイコンタクトしてくれるようになります。
常に犬が先にヒトを見る。ヒトが先に目線を外す。これがコツです。
直視するのではなく、視線の隅で犬を観察する癖をつけましょう。
そしてこちらを見ていたら必ず褒めてご褒美を与えましょう。
それをヒーリングなど、動きの中でもやりましょう。
強力にアイコンタクトする犬が出来上がります。
依存症と思えるほどこちらを見る犬になると思います。
(でもこれ、やっぱり一緒に暮らすパートナーにはあまりやらせたくないです。個人的にはフェイクなボンドという感じがします。絆をアピールするデモには必要なんでしょうけど・・・)
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No title
こんにちは~。
福岡のセミナーでお世話になった、キャバリア ひめの父です。
今回のアイコンタクトのお話も、なるほど~!がいっぱいで、勉強させていただきました。
このエントリーとは無関係なコメントで申し訳ないのですが。
タレントドッグのレッスンはまだ続けております。
K先生から課題をいただき、CM風動画を作ってみました。
カメラワークがまずかったり、編集もうまくいかなかったりしてるのですが、
よかったら見てやって下さい。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=jsEd0aiS4f0
福岡のセミナーでお世話になった、キャバリア ひめの父です。
今回のアイコンタクトのお話も、なるほど~!がいっぱいで、勉強させていただきました。
このエントリーとは無関係なコメントで申し訳ないのですが。
タレントドッグのレッスンはまだ続けております。
K先生から課題をいただき、CM風動画を作ってみました。
カメラワークがまずかったり、編集もうまくいかなかったりしてるのですが、
よかったら見てやって下さい。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=jsEd0aiS4f0
ひめ父さん
こんにちは。頑張ってますねぇ。
なかなか可愛く撮れています。
その調子で頑張って続けてくださいね!
きっっとお仕事も増えてきますよ!
なかなか可愛く撮れています。
その調子で頑張って続けてくださいね!
きっっとお仕事も増えてきますよ!