フィードバック
ずーっと人道的、かつ効果的なトレーニングの事を考えてきた。
さらに言えば、人と犬が暮らす、その、双方にとっての意義と、それに基づく関係作りや暮らし方を気にしてきた。
D.I.N.G.O.設立当初は、D.I.N.G.O.の知名度も無く、またニーズも強かったので、とにかく外国人を呼んでイベントを開いていた。ほぼイベンターのようだった。
それでも私なりのこだわりがあり、テーマに関してはこちらでリクエストし、D.I.N.G.O.としての方向性を少しずつ打ち出して行った。
しかし、そんなことを続けていても自分たちのこだわりや考えを直接聞いてくださる人は一向に増えない。イベンターは次にどんな先生を海外から招くかだけが、皆に問われることだから。
徐々に国内のD.I.N.G.O.インストラクターたちの話を聞いてもらえるように、まずは自分たちのセミナーやワークショップを開くようにして行った。
海外の人なら何でもありがたい、という風潮を壊したかった。
むしろ私たちD.I.N.G.O.の話を聞いてもらいたい、そう思った。日本人の感性はコンパニオンアニマルとの人道的な関係づくりに向いていると確信していたから。
海外からの講師を招くイベンターのような業務を減らし、小規模でもいいから自分たちの話をさせていただくイベントにシフトして行った。
売り上げが落ち、経営的にはずっと苦境に立たされていた。
それでもイベンターには戻りたくない。日本初の情報発信を定着させたい。そう思って自分たちのセミナーやワークショップを続けた。
元企画屋だから、外国人のネームバリューではなく、テーマやコンセプト、そしてイベントそのもののエンターテイメント性にアイデアを投入し、少しでも楽しくかつ分かりやすい最新情報の提供を心掛けてきた。
決算は赤字続き、いつ倒れてもおかしくない業績に慢性的な不安は抱えていたが、会社は倒れてもD.I.N.G.O.は育ち続ける。そういう構造を初めから意識していた。
企画屋にとって企画はわが子同然。しっかり育てればやがて一人立ちして独自の人格を持ち歩きだす。D.I.N.G.O.のシステムもそういうつもりで組み立ててある。
10年経って素晴らしい人材が全国に育ってきた。
同じ志、同じ理念を持ってそれぞれが頑張っている。
こういう形態をアメーバ組織と呼んでいる。
実態がありそうで無さそうで、でも柔軟に時代に対応して成長し続ける。絶対的なリーダーを必要としない、しかし絶対的な価値観を共有している集団。
これまでの事を思うとうれしさがこみあげてくる。
解ってくれる仲間が増えた。人と動物が共に暮らすことの意味を本気で考え、目先の利益は論外としても表面的な動物愛護論にも振り回されない、信念を持った「健全な仲間たち」
このところ犬だけにとどまらず、いろいろなコンパニオンアニマルの事で、声をかけてくださる事が増えた。
外国人を呼ばなくても私たちの話を聞いてくださる。
本当にうれしい。
決して守りに入らず、D.I.N.G.O.のポリシーである、「常に3年先を見据えて」を踏まえ、コンパニオンアニマルと暮らすうえで大切なことって突き詰めれば何なんだろうと考えてみた。
その(現在の)答えは、距離によるコミュニケーションとフィードバック。これに尽きると思う。
人を含むすべての動物はその距離感によってコミュニケーションを図っている。
実際の距離、体の向きやバランス、そして視線による精神的な距離。
言語でさえそれを補完する手段の一つにすぎない。
そういった距離感により仲良くなることも嫌われることも起きてくる。
だからリニアに変化する上手な距離感で対話できれば仲良くできる。少なくとも嫌われたり威嚇されることはない。
動物たちが攻撃的になるのは何かを守る場合が多い。守る必要を感じるのは相手の距離が近すぎる場合だ。
ちょっと近づきすっと離れる。
ちらっと見て目をそらす。
相手の反応を確認する。
そうやってお互いの気持ちを確かめ合いながら距離を縮めて行く。
距離はとても大切なメッセージだと思う。
そして共に暮らしていくために必要な事柄を伝えるためのエクササイズ(トレーニングとは言いたくない)では、科学的な学習理論は不変だが、報酬の部分が単に食べ物だけになることが無いよう、もっともっとデリケートに内的報酬まで含めて掘り下げていき、動機付けの理論を突き詰めて行った結果、表題の「フィードバック」にたどり着いた。

最近のセミナーテーマで一番のお気に入りがこの「フィードバック」。
犬だって「話せばわかる」。そう思っている人は多いと思う。私もそう思っている。
でもそれは決して超能力に頼ったアニマルコミュニケーションではないし、一方的に日本語(英語でも)で話しかける事でもない。
人間同士だって、海外の人とはどちらかが相手の言葉を学ばなければ「話せばわかる」ようにはならない。
むしろ中途半端な語学を用いると、思わぬ行き違いでトラブルになることもある。
だから動物たちと「話せばわかる」ようになるためには、私たちの言葉を教えるか、彼らの言葉を学ばなければならない。残念ながら今のところ言語を持っているのはヒトだけ、とされている。鳥類などはかなり高度な音によるコミュニケーションを取っていると思うが、「人類の言語体系」で無いのは確かだ。だから発音や言葉をコピーしてもらっても人の言語を「話せばわかる」レベルで使ってくれるとは思えない。
だから彼らの言葉を学ばなければならない。彼らの言葉はシグナルや、それ以上に距離だ。
言葉だけではなく、価値観とかそういったものも理解しておかなければ、ヒトと動物たちとはベースに有るものが相当に異なるからコンセンサスが取れない。
学習理論の習得程度で満足していてはだめなんだと思う。
フィードバックというテーマのコンセプトは、「話せばわかる」だ。しかしそれは相当に奥が深い。
でもフィードバックの価値と使い方を理解してくれれば、その日から何かが変わると思う。
そのくらい大事だと思っているテーマだ。
さらに言えば、人と犬が暮らす、その、双方にとっての意義と、それに基づく関係作りや暮らし方を気にしてきた。
D.I.N.G.O.設立当初は、D.I.N.G.O.の知名度も無く、またニーズも強かったので、とにかく外国人を呼んでイベントを開いていた。ほぼイベンターのようだった。
それでも私なりのこだわりがあり、テーマに関してはこちらでリクエストし、D.I.N.G.O.としての方向性を少しずつ打ち出して行った。
しかし、そんなことを続けていても自分たちのこだわりや考えを直接聞いてくださる人は一向に増えない。イベンターは次にどんな先生を海外から招くかだけが、皆に問われることだから。
徐々に国内のD.I.N.G.O.インストラクターたちの話を聞いてもらえるように、まずは自分たちのセミナーやワークショップを開くようにして行った。
海外の人なら何でもありがたい、という風潮を壊したかった。
むしろ私たちD.I.N.G.O.の話を聞いてもらいたい、そう思った。日本人の感性はコンパニオンアニマルとの人道的な関係づくりに向いていると確信していたから。
海外からの講師を招くイベンターのような業務を減らし、小規模でもいいから自分たちの話をさせていただくイベントにシフトして行った。
売り上げが落ち、経営的にはずっと苦境に立たされていた。
それでもイベンターには戻りたくない。日本初の情報発信を定着させたい。そう思って自分たちのセミナーやワークショップを続けた。
元企画屋だから、外国人のネームバリューではなく、テーマやコンセプト、そしてイベントそのもののエンターテイメント性にアイデアを投入し、少しでも楽しくかつ分かりやすい最新情報の提供を心掛けてきた。
決算は赤字続き、いつ倒れてもおかしくない業績に慢性的な不安は抱えていたが、会社は倒れてもD.I.N.G.O.は育ち続ける。そういう構造を初めから意識していた。
企画屋にとって企画はわが子同然。しっかり育てればやがて一人立ちして独自の人格を持ち歩きだす。D.I.N.G.O.のシステムもそういうつもりで組み立ててある。
10年経って素晴らしい人材が全国に育ってきた。
同じ志、同じ理念を持ってそれぞれが頑張っている。
こういう形態をアメーバ組織と呼んでいる。
実態がありそうで無さそうで、でも柔軟に時代に対応して成長し続ける。絶対的なリーダーを必要としない、しかし絶対的な価値観を共有している集団。
これまでの事を思うとうれしさがこみあげてくる。
解ってくれる仲間が増えた。人と動物が共に暮らすことの意味を本気で考え、目先の利益は論外としても表面的な動物愛護論にも振り回されない、信念を持った「健全な仲間たち」
このところ犬だけにとどまらず、いろいろなコンパニオンアニマルの事で、声をかけてくださる事が増えた。
外国人を呼ばなくても私たちの話を聞いてくださる。
本当にうれしい。
決して守りに入らず、D.I.N.G.O.のポリシーである、「常に3年先を見据えて」を踏まえ、コンパニオンアニマルと暮らすうえで大切なことって突き詰めれば何なんだろうと考えてみた。
その(現在の)答えは、距離によるコミュニケーションとフィードバック。これに尽きると思う。
人を含むすべての動物はその距離感によってコミュニケーションを図っている。
実際の距離、体の向きやバランス、そして視線による精神的な距離。
言語でさえそれを補完する手段の一つにすぎない。
そういった距離感により仲良くなることも嫌われることも起きてくる。
だからリニアに変化する上手な距離感で対話できれば仲良くできる。少なくとも嫌われたり威嚇されることはない。
動物たちが攻撃的になるのは何かを守る場合が多い。守る必要を感じるのは相手の距離が近すぎる場合だ。
ちょっと近づきすっと離れる。
ちらっと見て目をそらす。
相手の反応を確認する。
そうやってお互いの気持ちを確かめ合いながら距離を縮めて行く。
距離はとても大切なメッセージだと思う。
そして共に暮らしていくために必要な事柄を伝えるためのエクササイズ(トレーニングとは言いたくない)では、科学的な学習理論は不変だが、報酬の部分が単に食べ物だけになることが無いよう、もっともっとデリケートに内的報酬まで含めて掘り下げていき、動機付けの理論を突き詰めて行った結果、表題の「フィードバック」にたどり着いた。

最近のセミナーテーマで一番のお気に入りがこの「フィードバック」。
犬だって「話せばわかる」。そう思っている人は多いと思う。私もそう思っている。
でもそれは決して超能力に頼ったアニマルコミュニケーションではないし、一方的に日本語(英語でも)で話しかける事でもない。
人間同士だって、海外の人とはどちらかが相手の言葉を学ばなければ「話せばわかる」ようにはならない。
むしろ中途半端な語学を用いると、思わぬ行き違いでトラブルになることもある。
だから動物たちと「話せばわかる」ようになるためには、私たちの言葉を教えるか、彼らの言葉を学ばなければならない。残念ながら今のところ言語を持っているのはヒトだけ、とされている。鳥類などはかなり高度な音によるコミュニケーションを取っていると思うが、「人類の言語体系」で無いのは確かだ。だから発音や言葉をコピーしてもらっても人の言語を「話せばわかる」レベルで使ってくれるとは思えない。
だから彼らの言葉を学ばなければならない。彼らの言葉はシグナルや、それ以上に距離だ。
言葉だけではなく、価値観とかそういったものも理解しておかなければ、ヒトと動物たちとはベースに有るものが相当に異なるからコンセンサスが取れない。
学習理論の習得程度で満足していてはだめなんだと思う。
フィードバックというテーマのコンセプトは、「話せばわかる」だ。しかしそれは相当に奥が深い。
でもフィードバックの価値と使い方を理解してくれれば、その日から何かが変わると思う。
そのくらい大事だと思っているテーマだ。