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OFFスイッチ

長年いっしょに暮らしている犬でも、あるいは犬以外のコンパニオンアニマルではさらに頻繁に、本能的逸脱といわれるような行動が出てしまう時がある。

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(十分なハズバンダリートレーニングによってヒトを受け入れるオオカミであっても、全然安全だと思う人はいないだろう)

ヒトと動物の絆、なんて吹っ飛んでしまうくらいの(ヒトにとって)困った行動。

これらはたいていは動物としては正しい、あるいはやむを得ない行動だったりする。

遺伝子に組み込まれた行動や、学習が繰り返されることにより無意識の反射になってしまった行動。

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(ディズニーのリタイアしたグリズリーベアを飼育している施設では、トレーニングされた熊たちがオスワリやお手をする。可愛いけど、本能を考えるともちろん安全とは思えない。)

ヒト社会で暮らす動物にこれが出てしまうと厄介。
犬なら吠えや噛み、破壊。猫なら狩り、そして去勢避妊がポピュラーではない動物では繁殖本能ベースの行動。

これらと向き合うのはいつだって厄介。
行動を止める事はかんたんにはできない。その行動をしなくなるようにするのはさらに難しい。
ハウストレーニングとは別次元の話。

もともとしない個体と、そういう行動が強く出る個体がいるからややこしい。
他の家と比較しても全く無意味だ。個体差が激しいから。

たとえば来客時に吠える犬。これも自動的な反射行動と思っていいかもしれない。
本来犬はそういう暮らしを長年してきた生き物だから。

そこで吠えてはいけないというトレーニングをしようとしてもたいていうまくいかない。
反射行動は思考回路を通る理性的な行動よりはるかに早く出てしまうから。

来客があったら部屋の隅のマットでフセルという(吠えることと)両立しない行動を教える。
たくさんごほうびを出して、捕食本能に訴えかける。
危機回避本能と捕食本能を犬の中で戦わせるわけだ。
無意識になるまで反復練習すればうまく行く。けど大変。
そしてたまには本能的逸脱。つまり危機回避本能が勝れば吠えてしまうことになる。

そこでタイトルのOFFスイッチを作ることがとても有効な対策となる。
1~2回吠えるのは本能だから認めてあげよう。でもそこでスイッチを切ってもらう。
「オシマイ」という言葉をルールとして教えるのも効果的。
その方法はここでは書ききれないがD.I.N.G.O.のクリッカーをやっている方ならわかるかも。
フィードバックの一つとして、犬の吠えに返事をしてあげるのもいいかもしれない。目的が達成されればそれ以上吠える理由がなくなるから。

「追いかける」というモーターパターンに対抗するには、レーザーポインターを使う。
追いかける行動には追いかける本能で対抗するわけだ。正しくは本能のコントロールをするという感じだろう。
そして無意味な追いかけより、レーザーポインターを追いかける方が価値があればそちらを選んでくれる。

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さまざまな本能的、あるいは反射的な行動に対してクリッカーはとても有効な道具となる。
なぜならクリッカーの音は極めてシャープなブリッジ(二次強化子)だから、反射に負けないくらい一瞬で犬の脳内に報酬を送り込めるからだ。

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私がクリッカーの高度な使用にこだわるわけがそこにある。
基礎をしっかり学んだクリッカー使いが応用を広げて行くと無限の可能性がある。
しかもすべての動物に有効なコンセプトであることもとても有意義だと思う。

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ADICTという認定制度を作っている。アドバンスド ディンゴ インターナショナル クリッカー トレーナー という語呂合わせをしているが、ADDICT つまり中毒という単語をもじった、マニアックなクリッカートレーナー資格。
かなり武道を意識し、1と2からスタートするが、その先の上限は定めていない。
このトレーナー認定にはプロもアマも無い。ただ知識と技術がどのくらいあるかの尺度になるだけだ。
韓国の専門学校からスタートしたが、国内でもどんどん行って行く。
対象動物もオールアニマル。犬猫鳥に限定していない。
専門学校の1年で1、2年で2が取れる程度のカリキュラムを意識している。

ホームページの試作だけ、ちらっとお見せしますね!
ADICT見本ページ

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のいぱぱ

Author:のいぱぱ
やっぱりサモエドが大好きです。
抜け毛がものすごくても、頑固でマイペースでも・・・。
運命の出会いで一緒に暮らすことになったルフトと、最新の科学的な理論をバックボーンに信頼関係を楽しく築いて行きたいと思います。

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