2オン2オフで
そばにある階段でたまにアジリティの2オン2オフを意識した練習をしています。といっても単に階段の下におやつを置くだけ。
ちょうど後ろ足2つは階段の最後に、そして前足2つは地面に降りている状態でおやつが口に入る事がポイントです。
いわゆる古典的にその位置関係と報酬を条件付けているわけです。
最初は階段に慣らすことが目的でしたが、3日これをしたらすでに階段の最後では立ち止まっておやつを探すようになりました。
アジリティではコンタクト障害(ドッグウォーク、Aフレーム、シーソー)の最初と最後を安全のために飛び越えないよう、そこを色分けして必ずワンタッチさせることという厳しいルールがあります。
犬が高速になればなるほど飛び越えてしまいがちなこのコンタクトゾーンをしっかり踏んでもらうために、世界中の競技者が様々なアイデアを駆使しているのですが、この2オン2オフはかなり有効とされています。
ただ厳密にいえば練習では条件付けを行い、その記憶で本番をする訳なので、ご褒美の置いていない本番は「負の弱化」状態になります。これはやがて、練習ではできるけど本番ではやらないという、環境による弁別が起きる可能性があって、私的には決定打と思えない部分もあります。
ただトレーニングを含めた犬育てで一番大切なのは、やはり「失敗を経験させないこと」だと思うので、上手なさじ加減で古典的な条件をワクチンのブースターのように追加していくことには価値があるのかも知れません。抗体が弱まったら、つまりコンタクトゾーンを飛び越えそうになってきたら、改めて2オン2オフの練習を追加するという感じです。
あるいはもう少し高度に考えると、古典的に条件付けた刺激をオペラント条件付けに置き換えていく方法も考えられます。
平たく言えば報酬の後出しです。つまり「その場所には良いことがある」という学習から、「その場所を探す(あるいは鼻を付ける)と良いことがある」という、その行動に対して後出しで報酬を与えるということですね。
こうしていけばその場所に報酬が無くても、探す(鼻を付ける)という行動を繰り返させることはそう難しくありません。
アジリティやディスクドッグ、あるいはハーディングなどは、いわゆる内的報酬(その行動によって脳内に快楽物質のドーパミンが分泌され、自己満足を得る)によって行動が喚起されるわけで、しかもそれらの行動は複数の連続したものとなっていますから、学習のABC(きっかけ、行動、結果の3つのプロセス=私たちは「きっ・こ・け」と呼んでいます)を当てはめていくと、実に複雑な連鎖が見えてきます。ある結果がきっかけとなり、それが行動によってある結果を引き起こすが、その結果もまた次の行動へのきっかけとなるからです。
こんな時はつい科学を忘れて経験則やコツ、カンといったものに逃げたくなりますが、でもがんばればちゃんと答えが見えるはず。
内的報酬に関しても、その領域を治外法権と思わず、いかに管理するか研究すれば、当然ですが私たち人間が管理できることに思い至るわけです。
犬にとって飼い主とは何か?究極の答えは「良き資源の管理者」であることだと思います。では資源とは何か?それは「犬が欲する、あるいは必要とするものすべて」でしょう。
内的報酬という資源を管理できる飼い主こそ、真の飼い主といえるのかも。
コメントの投稿
ドッグウォークもシーソーも登り物好きだし、条件付けで止まれば
ご褒美だったから止まるけど普通の階段なんかはすっ飛びだもの。
家の階段も電気がついていればしたから3段目ぐらいから飛び降りる。
いつか怪我しそうで怖いんだよね。でも2オン2オフの練習すれば階段
止まってくれるかなぁ??練習しにくい場所だけどがんばるか。
ゴンパパです。
先日のクリッカー講習会はありがとうございました。
ルフト君、大きくなりましたね。
ノイパパさんのブログを拝見していて、すごいサモエドになりそうな予感がしてなりません。
犬との関係は永遠のテーマのような気がします。
ゆきにとって私はなんなんだろうとか、どうあるべきかということをよく考えます。
今はとにかく日々の中で短い時間しか接する事が出来ないので触れ合う事に重きをおいて接しています。
さて、クリッカ-のその後をお知らせしなければなりませんね。
チャ-ジングは100%出来たと思います。
「カッチン♪」の音にレスポンス良く反応するまでになりました。
そして、クリックスティックⅡを用いての鼻タッチも完璧です(親ばか)
ただ、キューを乗せるのに手間取っています。
これは根気良くやるしかないなと覚悟を決めています。
しかしある時何気なく出先で手のひらを出して「タッチ」と言ったら鼻タッチが出来たんですね。
スティックを使ってキューが思うように乗らないと思っていたのに、外で何気なくやったら出来ちゃたんです。
しかも連続で・・・
今でも出来ます。
どうやら「タッチ」を理解しているようです。
ですが、スティックを使ってキューを乗せようとすると出来ない。。
なんなんでしょう??
クリッカ-は犬の性格が顕著に出ると感じていますので、様々な視点からあせらず、ゆきのペースで楽しみながら継続していきたいと思っています。
立ち止まる・減速するという安全にも役に立ちそうですね。
門扉が開くまで階段の下で座って待つなど特に教えた訳ではないですが、
自然とありがたい行動をしてくれます。
思えば今までの犬の中では、共にする時間が長く、逆に教育的なことをし
ていないのですが。犬の思考・学習って興味深いですね。
バカな犬はいなくて、バカな飼い主がいるだけ。身に染みますこの言葉。
普段の暮らしから
人間が知識を持てば無意識に良い学習のためのリアクションをとれるようになりますものね。
クリッカーは理論とタイミングがすべてですから、それがしっかり押さえられていれば、順調にキュー乗せからクリッカーの引き上げまで行けるはずです。壁に当たるようならきっとどこかで犬が分かりにくい状態になっていると思うので、ちょっと見直してみるといいかもですね。
でもこういったトレーニングは休むことで頭を整理してもらうことがすごく大事なので、翌日とても調子良くなったりします。焦らずいろんな角度からアプローチしてみるといいと思います。
あっ。
こんにちは。
石川県金沢市の たまよです。
ルフトくんのブログ、いつも参考にさせていただいております。
わたしもルフトくんと同時期に生まれたサモエドを育てているので
とてもおもしろいです。
写真をみて、首輪がうちのまると一緒だ!!と思いコメントしました。色も一緒です。
ひとつ相談があるのですが、
涙やけがあります。獣医さんに聞いたら治らないといわれたのですが、原因としてはなにがありますか?
まるちゃんの首輪
涙やけ、心配ですね。ほかの獣医さんにも相談してみてはいかがでしょう。セカンドオピニオンと言って、そういった場合は何人かの獣医さんに相談すると違うアイデアも出るかと思います。とりあえず涙やけを消す薬もあるので見た目は改善できると思いますが。