クリティカルピリオド
この時期、つまりクリティカルピリオドを迎えるまではいやなことに対する受容性が高く、そして回復するのも非常に速いので、叱るようなしつけは効果がないと思えます。
たとえば鳴くことも、本能で親を呼ぶ「コンタクトコール」のまだ延長線にあるので、これを無視したり叱っても理解できないでしょう。ですから最初は声を出したらすぐ行ってあげること、むしろ鳴きだす前に、人が離れることや一人でいることにちょっとずつ慣らして行ってあげることが大切です。
ある特定の時期だけ現れるモーターパターン(本能に基づきプログラムされた自動的な行動)は、特に子犬にいろいろありますが、このコンタクトコールはまさに典型的なもので、もうすぐ消えていくと思われます。
最初にルフトに会いに行った時、乳児のモーターパターンである、舌を丸くしておっぱいを吸う行動が、私の指に対しても起きていましたが、これは11日の時点からは全く見せなくなりました。モーターパターンが閉じ、もう舌を丸めることは一生無いのだと思います。
しかしコンタクトコールに関しては、どこかでそのモーターパターンも閉じるはずですが、離乳と一緒で、そのタイミングを見極め、いわゆる要求ぼえ(学習した結果による行動)に切り替わるタイミングで、無視をしなければまずいわけです。そのタイミングはこの数日のはず。うまく見極めなければです。
自然とはうまくしたもので、コンタクトコールに関しては親犬にもモーターパターンがあり、乳児のコンタクトコールには自動的に反応して連れ戻すという行動をするそうですが、この親犬のモーターパターンは少し早目に消えていきます。子犬の呼びかけに反応しなくなっていくのです。乳離れのタイミングですね。