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クリッカーの使い道

シナプスシンドロームに陥っている私は、今日もルフトのシナプス保存会会長をやっていました。


なにかっていうと、はしごやアジリティ機材の感覚を久しぶりに体験させたのです。
はしごはオッケーでした。見事に4本の足を動かして上手に通過してくれました。後ろ足関係のシナプスは大丈夫・・・。
でもシーソーにチャレンジしたらダメでした。スロープ関係のシナプスが足りません。困った・・・。
怖くて途中から後ろ足が引けてしまい、完全に体のバランスを崩しています。こんな時はTタッチのボディーワークが役に立つかな?とも思ったのですが、とりあえず面倒くさいので逆条件付けです。


さて、苦手を好きなものと組み合わせる逆条件付けにも古典的とオペラントの2種類がありますが、気を付けなくてはならないのは脱感作に比べて無理がかかるという点です。
逆条件付けは苦手が上回れば「ミイラ取りがミイラになる」つまり好きなものも苦手にしまう可能性があるのです。実際には一次強化子であるおやつを嫌いになることはないでしょうが、それを出す手や、ひいては人間、あるいはそういったシチュエーションをおそれるようになる場合があるからです。
そんなわけで、今回も脱感作的な(?)要素を取り入れて、無理をしない、のんびりペースの逆条件付けをねらってみました。


こんなときはクリッカーが有効です。でもこれは応用編。本来オペラント条件付けに用いられるものと思われているクリッカーを古典的条件付け(的)に用います。


kp2.jpg


なぜかというと、クリッカーを用いたタイミングの良い報酬の提供は、犬に勇気(あるいは勢い?)を与えるからです。
古典的逆条件付けは犬にルールが伝わり、同時に考える余裕が出来るとすぐにオペラント逆条件付けモードに移行していきますので、クリッカーも微妙にタイミングをずらしながらオペラント条件付けを意識したものに変えていきます。


今日の場合はシーソーのそばにいるだけでクリック。苦手なシーソーの上に乗ったらクリック。乗っている間にもさらにクリック。そしてこれまた変則的におやつを常にシーソーの上、ルフトの半歩先に置きます。
古典的逆条件付けとオペラント逆条件付けが入り交じった状態。さらにそこにおやつを出す位置のプロンプトを出していました。
これは実はかなり強引なやり方ですので、ルフトの気持ちがいっぱいいっぱいにならないよう気を付けなければなりません。おやつの価値が低いものを使いながら、いやならやめられる余地を残すようにしました。そしてしばらく逃避していてもそのままのんびり待っていて、再びチャレンジしたくなったらちゃんとクリック&ごほうび。


犬の記憶は4段階。感覚記憶から短期記憶を経て長期記憶に移行する、そのプロセスも意識しながらトレーニングのリズムとサイクルをうまく組み合わせていけば、こんな「苦手克服メニュー」もスムーズに行くのだと思います。


P.S.古典的逆条件付けは苦手の刺激の直後に好きなごほうびが得られることで成り立ちます。一方オペラント逆条件付けはその間に行動が入ります。オペラントはオペレート(操作する)という言葉から生まれた造語だそうです。つまり人間側から見て何らかの操作(犬から見て行動)がごほうびの前に入っていればオペラントです。具体的には苦手な刺激の後にアイコンタクトをするとかオスワリをする。そこにごほうび、あるいはクリック&ごほうびです。

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有難うございます!

分かりました!

私の感じていた違和感は、PSの部分です!
人の視線と意図と、犬の行動を一方的な見方
(人が考えている事のみ)で捉えてごっちゃ
になっていたように思います。

けっこうすっきりした感じです!
もう少し自分なりに確認を含めた練習問題
を考えてやってみます。
本当に有難うございました!
失礼します。

よかった

参考になればうれしいです。ポイントは古典的逆条件付けをしていると、犬のほうからオペラント逆条件付けに移行していくというところですね。ちなみに「逆」が付くのは、単に「苦手を好きに・・・」という場合です。

ありがとうございます♪

こんばんは。
いつもありがとうございます。
何回も読みましたので、今はわかったつもりになっているところです。
〔今日の場合はシーソーの〕ようなことを私はよくやってしまい、そのときのことをあてはめて考えるとわけがわからなくなっていました。混ざっていたんですね。そして、強引なやり方でもあったんですね・・・。
細やかに解説して頂いてありがとうございました!
また、よろしくお願いします。


がんばってますね

ソルモンさんがんばってますね。
科学的な理論と現場の応用では、こんなところが異なってくるのかもですね。
逆条件付けの場合、「古典的」から「オペラント」への移行は勝手に起きます。そしてそれは犬の意思によるものなので、「ああ、もう平気になって来たな」という目安にもなります。
ちなみに逆条件付けにわざわざクリッカーを用いることがあるのは、それが二次強化子とはいえ、ベストなタイミングでしかも印象的に報酬を与えることが出来るからです。それとたいていの犬は不安な時に人が近づき、手が伸びてくると余分な不安を抱えてしまうので、それを回避できるのもクリッカーの良い点ですね。
プロフィール

のいぱぱ

Author:のいぱぱ
やっぱりサモエドが大好きです。
抜け毛がものすごくても、頑固でマイペースでも・・・。
運命の出会いで一緒に暮らすことになったルフトと、最新の科学的な理論をバックボーンに信頼関係を楽しく築いて行きたいと思います。

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