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アニマルトレーニングでぜひ参考にしたいもの

犬に限らず様々な動物をトレーニングする、特にプロ志向の方にぜひ知っていただきたい、素晴らしい情報の宝庫がいくつかあります。

これらは自分自身でもほんの片鱗しか理解していないものばかりなので、内容を具体的にお伝えすることはできないのですが、絶対に、間違いなく、とても有益なヒントが、ぎっしりと詰まっている、すばらしいものです。(力入ってます)

それぞれがそれぞれに、磨き抜かれてきた長い伝統を持ち、ストイックに追い詰めている達人がひしめいている世界です。

とかく専門分野の方々はその分野に没頭し、他の分野を見れなくなる、あるいは横のつながりや関連性を意識できなくなることが多いと思いますが、そこにコーディネーター的に、あるいはプロデューサー的につながりを見つけ、あらたなものを生み出していける時、本当に目からウロコのすばらしい世界が開けてくるものだと個人的には思っています。

D.I.N.G.O.のイベントには基本、常にテーマとそれを表すタイトルがあります。
漠然と、だれだれ先生の有りがたいお話、というのにはあまり興味がなく、むしろどんなテーマで何を掘り下げるのかにこそ意義があり、そのテーマづくりでほぼコンセプトメイキングは完成していると思うからです。

フィロソフィーがあって、コンセプトがしっかりしている、ということに元企画屋としてのこだわりがあります。表面だけの、あるいは流行に迎合するかのようなイベントは絶対にやりたくない、そう思っています。

素晴らしいマジシャンの聖寿さんと出会い、8年くらいぶりにトレーニングに活かすマジックのワークショップを開きました。

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 マジックで大事なのは観客の心理を上手くコントロールする事。心理誘導というわけですが、マジックの世界ではミスディレクションと呼ばれたりしているようです。
 上手なマジシャンとは、すなわちこの部分がうまい人なのかもしれません。もちろん手先の技術や円滑さもですが、ミスディレクションが素晴らしいと実に気持ちよく騙されます。だまされるというか、もうこれは科学では説明できない(?)空想リアリティのエンターテイメントです。
ひねくれ者以外は、そこにいるすべての人が心理誘導されてしまいます。

翻って(ひるがえって)、私たちのようなアニマルトレーニングを極めたいと思っている人間にとって、動物のコントロールにも、行動面と心理面があります。

ルアーリングと呼ばれる行動の誘導。自発性を引き出すクリッカートレーニングなどによる行動のコントロール。
こういったことの研究は盛んですが、実は意外と心理面の誘導というジャンルはおろそかになっています。これはもともと犬の感情に配慮しない行動分析学などの科学的アプローチが中心となって今日の報酬をベースとした動機付けによるトレーニングが広まったせいかもしれません。

マジシャンの大切にしているミスディレクション、心理誘導は動物のコントロールにも有効なんではないか、そう思いついたのが10年近く前でしたが、一度実験的なイベントを開いただけで、その後悶々とこの可能性について考え続けていました。

マジシャンの聖寿さんに試してもらいました。犬はしっかり心理誘導されます。鳥もです。

ということは、おやつの出現と消失において、動物の予想できない現象を飼い主が起こせる、つまり動物目線でいえば、「うちのママは何もないところからおやつを出してくれる」というミラクルな尊敬を得ることができるということになります。

マジックのミスディレクションはある意味演技力。そして心理面の知識。これはそのまま良い飼い主の条件でもあります。

まだまだ研究中ではありますが、Magic in TrainingはD.I.N.G.O.の大切なメニューになっていくでしょう。
ショー自体も面白いし、何か習うのも面白いのですが、本当に価値があるのは、プロマジシャンの見事なミスディレクションテクニック。これをじっくり観察し、ご自分と動物とのコミュニケーションに導入していって欲しい、と切に願っています。

ちなみに心理面の誘導はマジックのノウハウですが、行動/ハンドリング面は何がお勧めかというと、ずばり太極拳だと思っています。戦いではなくもはや健康維持のための体操のようなニュアンスを感じられる方も多いと思いますが、太極拳の動きにはすべて意味があり、そしてその意味の背景にある人本来の行動パターンが実に動物の行動パターンとも似ているからです。

太極拳の考えがどこに活かせるかと言えば、ずばりハンドリングです。立ち方から身のこなし、リードさばきにまで参考になることが多いと思います。Tタッチのデビー・ポッツは、彼女のグランドワークで素晴らしいハンドリングを披露してくれますが、その彼女も太極拳にインスパイアされていると言えば、ご理解いただけるのではないでしょうか。
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いつかTAI CHI in Animal Trainingというタイトルのワークショップを老師のご協力のもとに実現したいと思います。

以前からD.I.N.G.O.ではクリッカートレーニングを独自に昇華させるアプローチとして、武士道をリスペクトし、精神面から技術面まで出来る限り参考にさせていただいています。相手への気持ちから間合い、立ち居振る舞い、すべてがクリッカートレーニングでもそのまま見習えるからです。
そういった信念を伝えたくて作ったのが、THE BAMBOO CLICKER [DVD]。
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もうすっかり伝説となり、出演している末川INは武道の経験を活かしたクリッカースペシャリストとして大活躍中です。


アニマルトレーニングを学ぶには、やはりどこかで動物の根源にアプローチする他ジャンルの知識が必要だなぁと、つくづく感じます。

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そうそう、恒例のルナお預かり中です。時々会える昔の仲間、みたいな安心感があるルナとの共同生活も楽しいんです。


シンガポール視察の最終稿はMARINE LIFE PARKのDOLPHIN ISLANDです。
以前私たちに会いに来てくれたドルフィントレーナーの比嘉さんを表敬訪問しがてら、1日トレーナー体験をさせてもらおうというプランでした。
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ここには家族連れでも楽しめるようないろいろなコースがあるのですが、まる一日、じっくりトレーナーの仕事を体験させていただく特別コースに参加しました。
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プールに入っての様々な体験、グラスボートからの関わりなどじっくりイルカを観察することもできました。
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イルカは本当に魅力的。
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もちろんトレーナー体験ですから、食餌や健康の管理、そしてハズバンダリーや環境エンリッチメントを目的としたアクティビティメニューのスケジュールプランまで体験、見学、そして学習させてもらいました。

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一日お相手してくれたのはもちろん、比嘉さん。やはりイルカとの深い信頼関係ができているようで、安心して見ていられました。
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スマホやカメラは持ち込み禁止なので、スタッフに撮ってもらったり、時にはカメラを借りて自分で撮影した画像を後から購入するシステムで、これが結構高いのが難点です。ですので、このブログにはお金かかってます。(笑)
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一般的なショーは行っていませんが、トレーニングプログラムは毎日行われています。そしてそういった出来事もすべて記録され、行動の面からも心と体の健康管理に細心の注意が払われています。
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これは健康管理用プール。非常に狭いので、まるで犬たちが動物病院に入るのを恐れるように、イルカたちも警戒しがちです。ですので日常から慣らすようにしている結果、用もないのに自発的に入っていたりするようです。
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確か世界6カ国から集まっているたくさんのスタッフが、毎日ミーティングしながらプログラムを遂行しています。
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そんなミーティングに私たちも同席させてもらい、ちょっとスタッフ気分も味わえました。
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犬も猫も鳥もウサギも、そしてイルカでさえ、私たち人間とかかわる動物との接し方には大切な共通点があります。家庭で飼われるコンパニオンアニマルか、施設で飼われるワイルドアニマルか、そういうこととは無関係な大事な共通点があると思います。

ヒトと動物の関係・・・・・・
ヒトが動物を個人所有するジレンマ。
動物園や水族館という(元)野生動物を閉じ込めている施設の存在理由と意義。
ヒトの幸せ、動物たちの幸せ。
より深いコミュニケーションを通じて私たちが目指していくべき方向性。

今回のシンガポール視察を通じていろいろなヒントをもらったように思います。
この経験を共有すべく、各施設の協力のもとに特別なツアーを企画したいと思っています。



NIGHT SAFARI SINGAPORE

タイトスケジュールのシンガポール視察。バードパークを朝からすっかり堪能しおなかいっぱい状態だったのですが、軽く休憩した後にこれまた有名なナイトサファリに行ってきました。

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ユニークなことに、この動物園は夜しかやっていません。ナイト専門です。そのかわりお隣には立派なシンガポールズーがあります。そこも素敵らしいのだけど、時間の都合で今回は割愛(どうやら石綿さんは既に行ったことがあるらしい)。

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もう入り口からわくわくします。ディズニーランドのような徹底したエンターテイメントのコンセプトが貫かれている感じです。ゴミ一つ落ちていない施設の清潔感、音響にしっかりお金をかけているところ、スタッフの教育などにそれを感じます。

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もちろんお土産関係も充実。そして食事も充実していました。

ステージショーも素直に楽しめる内容で、トークのうまいスタッフとトレーニングされた動物たちが登場します。どんなトレーニング法なのか、失敗を避けるためにどんな工夫がされているのか、興味津々です。
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限られた時間を有効に使えるよう、来場者の好みに合わせていくつかの徒歩で回れるコース、気軽のすべてを見ることができるトラム(連結自動車両)、そしてVIPのためのちょっとお高いプライベート カートツアーがあります。
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私たちはトラムで回りましたが、最低限の明かりの中、ライトを消したトラムが静かに動き回り、上手な展示と相まって多くの動物の夜の姿を見ることができました。
あまりにも暗いので残念ながら写真は有りませんが、4~50分の楽々ツアーで十分堪能できました。疲れている時は歩か無くて済むこのツアーが一番いいかも。

動物そのものを見たい方には昼のシンガポールズーの方が良いのでしょうが、ディズニーランドのジャングルクルーズなどを彷彿とさせる施設全体の雰囲気、そしてその中で食べる食事のだいご味は格別でした。

大胆にも夜しか営業しないという戦略は、昼間の時間を動物たちのメインテナンスに費やすこと、そして施設そのものを夜専用に設計できるという二つの大きなメリットがあって、その分深夜まで大勢の来場者が連日訪れているようです。

JURONG BIRD PARK

シンガポールの視察に行ってきました。
2泊3日の強行軍。動物が好きな人にとって、まさに楽園のシンガポールを集中して体験してきました。

まず世界一を誇るジュロンバードパーク。
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世界一が広さなのか鳥の数、種類なのかわかりませんが、どちらも断トツな感じがします。

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その広さも環境管理も、そしてショーも素晴らしいものでした。

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日本の施設におけるバードショーは、ルーツが同じだったり運営が同じだったりでメニューも似ているのですが、バードパークのものはさすがにオリジナリティがあり、またエンターテイメントとしての演出もプロフェッショナルです。
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立派なショーエリアで毎日行われています。
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オオハシさんもショーに登場です。
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特にフィナーレは圧巻。
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世界一というだけあって、広大な施設内でも特に高さ30mもの滝まであるフリーフライトエリアがすごいです。
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そしてお楽しみのフィーディングも可能です。他に食べ物はいくらでもあるのに、けっこう寄って来てくれます。
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広大なエリアにたくさんの鳥がいて、その健康管理、繁殖の管理をどう行っているのか興味津々です。

美味しいバイキングの食事を提供するレストランでも鳥のショーが行われるので、ご飯を食べながら間近でショーが見られます。まさに鳥漬けの一日を過ごせます。

鳥好きの方、アニマルトレーニングに興味がある方には本当にお勧めの施設でした。

ペットロスはかかわりの深さに比例する

基本に忠実なクリッカートレーニングでは直接動物との絆を深めることは難しい。
クリッカーによって築くのはルールだ。
ヒト社会で上手に生きていくためのルール。迷惑をかけず、自分自身も楽しく暮らせるようなルールを学んでもらうことが目的。
だからヒトが替っても同じルールで接してあげれば要らぬストレスをかけずに済む。誰とでも上手に付き合えるようになる。
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一方絆はもっと五感に直結したコミュニケーションがいい。そして「距離の対話」が極めて重要になる。
効率よく短期間に、というわけにはいかない。
こちらの気持ちを伝えること、それには一貫したメッセージが重要。たとえば「ダメ」という言葉が、あるときは徹底され、あるときはまぁまぁ許されるというのでは絆のもとになる信頼関係が生まれない。
絆は信頼関係がベース。信頼関係のベースはルールの確立。
たとえばいつも怒っている人は、それはそれで信頼関係が生まれる。相手の行動が予想できるからだ。禁止したり許したり、褒めたり叱ったりが一貫していない人とは信頼関係が生まれない。

少しでも相互の理解を深め、気持ちが通じ合うようになりたい。
そのために勉強する。
動物からのサインを科学的に読み、自分が伝えたいことを動物に解る形で伝える、その方法をひたすら学ぶ。

そうやって全力で向かい合い、連れ添ってきた動物とは深い絆が生まれる。
それはそれは素晴らしい世界だ。
おそらく動物のQOLも高まっているはず。

ただ、いいことばかりではない、ということは知っておかなければならない。
いつか来るお別れは、関係が深まれば深まるほどつらいものになる。
仕方ない事だし目をつぶっていてはいけない事だ。

つらいペットロスを覚悟しなければならない。

それでもより深い絆を求め続ける価値がある。

それだけ動物のQOLが上がる。

これから動物の勉強を始めようとする方は、先にそういう覚悟を持っていて欲しいと切に願う。

犬ってすごい

 実は科学的な理論をベースにしたトレーナーに関して言えば世界的傾向でもあるのだが、私たちもトレーニングやコミュニケーションの範囲を犬だけではなく、猫、鳥、ウサギとどんどん広げている。

 なぜかというと同じだからだ。

 過去にも書いたが、学習の理論やコミュニケーションの理屈は多くの動物が全く同じと言ってもいいと思う。
 異なるのは主に(野生下での)生活環境に根ざした生き残るための習慣の違い、あるいは目的を持って代々繁殖されてきたコンパニオンアニマルの学習による違いで、それが用心深さや好奇心、あるいは依存性や攻撃性などに表れてくるのだと思う。

 洋犬と和犬のちがいや、犬種特性などが良く語られるが、基本は同じ。異なるのは(家庭犬の場合)だれがどんな繁殖をしてきたかだと思う。

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 「サモエドは本来シベリアの犬で、人にはフレンドリー・・・・」などと犬種図鑑に書いてあると、みんなそれを信じてしまう。
 しかし犬種特性よりはるかに影響が大きいのは、いわばブリーダー特性。

 日本犬らしさを求める繁殖の柴と、アメリカで繁殖を繰り返されてきたシバは、外見は似ていても行動が全然違う。ざっくり言ってしまえばゴールデンのようなシバにアメリカで何度か出会った。

 そしてさらに視野を広げていけば、犬以外の動物たちも同じなんだなぁと感じることが実に多い。
 もちろん「行動を教えること」に関しては全く共通だ。極力その動物が平常心を保てるような環境に気を使い、その動物がその時に欲するものを理解出来れば必ず学習する。

 学習の遅い早いはあるだろうがそれ以上に影響が大きいのは警戒心と好奇心。どちらかが勝るタイプ、どっちも旺盛、あるいはどちらも薄いタイプなど様々だが、それは十分に考慮しなければならない。


 どうも犬の飼い主たちは(自分も含めて)ちょっと犬に期待しすぎる傾向がある。

 特に「がまん」に関してだ。
 
 客観的に見て「よくこの犬はこの理不尽な状況を我慢しているなぁ」と感じることが多々ある。

 犬は我慢強い。

 他の動物を見ているとつくづくそう思う。
 きっと1万年以上にもなる人との暮らしを通じて淘汰、あるいは進化してきたのだろう。

 学べば学ぶほど、犬は特別と感じることが多くなる。
 不思議だ。

 犬の行動に不満を持つ人は、ぜひ他の動物を飼ってみるといい、と言ってしまいたいくらい、他の動物は犬のようには我慢してくれない。
 特にインコ、オウムを飼ってみるといい。
 鳥との相互コミュニケーションがどれだけ難しいか。鳥がどれだけ誤解に厳しいか。
 たった一度の失敗がどれだけその後の関係修復に時間がかかることになるか、経験してみるといい。

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 石綿の愛鳥イヴちゃんは、いわゆる臨界期を「荒」の状態で過ごしてきた、ヒトとの関わりの少なかったボタンインコ。
 なので、かなり野生っぽい。
 本能のスイッチが入りやすく、好奇心も旺盛だが警戒心がすごく強い。
 たまにしか会わない私はいまだに触ることができない。というか私がいやな学習をさせることを恐れてチャレンジしていない。

 前脚すらない鳥たちは、犬以上に口を使う。
 発声も咬みも多用する傾向がある。
 イヴちゃんの咬みもなかなかのものだ。私は怯(ひる)む。
 怯んだ時点ですでに私には上手なコミュニケーションを図る資格がない。
 しかし悪い学習もさせていない。したがっていつかは仲良くなれるチャンスがある。

 こういう用心深さ、相手への敬意、失敗させないことへの認識は、鳥から学ぶことがとても多い。
 そこで得た知識と経験は難しい犬とでさえも何とかうまくやっていけそうな自信につながる。少なくとも敬意を持って慎重に観察する習慣は役に立つ。

 犬の勉強をしている方で、もっと視野を広げたいと思っている方はぜひ鳥のクラスに見学で参加してみてはどうだろう。
 きっと鳥のオーナーたちは快く一緒にトレーニングさせてくれると思う。
 そしてその時こそ、ここに書いてあることを直接体験し、納得してもらうことができるはず。

 動物たちはみんな違う。だけどみんなおんなじなんだ。

「かわいそう」が直接動機の愛護活動はどうなんだろう?

世の中には「かわいそう」な動物がたくさんいる。
身近でもよく目にする。

「かわいそう」だからという理由で愛護活動をしている方も多い。というか、愛護活動のほとんどの理由は「かわいそう」だからだと思う。

でもこの「かわいそう」が曲者(くせもの)だ。

「かわいそう」という気持ちを直接ぶつける活動にはろくなことがない。相手をかえって不幸にしてしまうケースも少なくない。

その昔、先進国の人々が未開の地に踏み込み、そこで質素な暮らしをしている現地人を見てかわいそうに思った。自分たちの幸せが申し訳ない。それに比べてここの人々のかわいそうなことといったら・・・・。そんな動機で安易に「文明」を持ち込んだ結果、さまざまな不幸が起きた。とにかくバランスが崩れる。

たとえば、「かわいそう」の反対は「幸せそう」だとして、寿命がせいぜい2~4歳。毎日食べるものを得るのも一苦労。病気になっても病院に行けない、という犬たちは幸せそうなのか、かわいそうなのか。

実は世の中の犬の8割はそういった飼い主のいない、いわゆる野良犬だと言われている。WHOがネイバーフッドドッグと名付けた犬たちだ。

生きて行くのが大変。だけども去勢避妊されておらず、自由に子孫を残せる。リードやケージで行動を束縛されてもいない。全てが自己責任の自由犬。

そういった犬に比べて、私たちと暮らしている犬たちは「幸せそう」に思える。
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ルフトは去勢している。外に出るときはリードをつける。家から勝手に外に行くことは許されない。犬が集まっているところでも勝手に遊ぶことは許されない。でも食事も安全な寝るところも、そして医学的な健康管理も約束されている。

飼い主は愛犬をとっても愛している。

ルフトは「幸せそう」に見える。それに比べて野良犬は「かわいそう」だ。

でも本当はどうなんだろう?
種全体で幸せを考えれば、それはおそらく子孫を残し、種が繁栄することだろう。絶滅の反対。

だとすると、繁殖できる野良犬は、たとえ生きるのが大変で寿命が短くても幸せ。ルフトは「かわいそう」なはずだ。



先日熊本天草のイルカを見に行った。

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世界でも珍しい、湾内に住む居付きのイルカたち。およそ200頭が生息しているらしい。
観光資源になっているが、ルールがあって、イルカたちの生活を妨げない事、そして決して餌付けしない事が守られている。
おそらく水族館のイルカよりはるかに生きるのが大変で、寿命も短いだろう。
水族館のイルカは愛情深く育てられ、努力しなくても食べ物が得られる。健康管理されている。
でも限られた狭い世界から出られない。

さて、どっちのイルカが「かわいそう」でどっちが「幸せそう」なんだろう?

ずっと外飼いだった犬を、ある日から室内飼いに変更した知人がいる。いろいろ犬のことを勉強し、「かわいそう」だから部屋に入れてあげようと親を説得したそうだ。
しばらくして悲しそうに外を見続けている犬を見かね、その親が「もう外に出してあげたらどうだ」と言ったそうだ。
唖然としながらも外飼いに戻したらその犬は明らかにうれしそうに外の暮らしに戻ったという。

安易な「かわいそう」は相手に幸せをもたらすとは限らない。むしろその逆が多いと思う。
「かわいそう」は完全に人間側の感情だ。「かわいい」とおんなじヒト目線。
「かわいい」と思ったり「かわいそう」と思うのはヒトとして自然なことだが、それをそのまま(安易に)行動に移してはいけない。
同様に「幸せそう」が幸せとイコールでない事も忘れてはいけない。

「かわいそう」だからレスキューされる多くの動物が「ほっといてくれ!」と言っている気がしてならない。

レーザーポインターによるターゲットトレーニング

 前々から考えていた、レーザーポインターとクリッカーを合体させたトレーニングツールを作ってみました。

レーザーポインター付きクリッカー

 レーザーポインターで光のドットを映し、それをターゲットにしたクリッカートレーニングを行うためです。

 ドットを固定しておけば、 レーザーポインターで示した場所に行くというトレーニングを行うことができます。
 ドットを動かせば、プロンプトとして追いかける行動をキャプチャーできます。

 まず道具ですが、日本工業規格によるPSCマークがついたものを使います。
これは0.2mW=1mW程度の出力で、短時間なら人が直視しても問題無いとされています。おもちゃやプレゼンテーションで使われているようなものです。(ただし赤色以外は出力が強いようです)
 ちなみに2001年の法規制以前に販売されていたレーザーポインターやレーザーマーカーなどは危険な場合がありますので使用しない方がいいです。

 PSCマークのものは安全ですが、その分、日中の屋外では明るさが十分になく使えないので、屋内、もしくは暗い時にトレーニングします。

 トレーニングですが、多くの犬は初めて移動する光の点を見ると興奮して追いかけることが多いと思います。(猫もそうなので、猫用おもちゃとしての製品もあります)

 追いかけるのは狩猟本能。大脳辺縁系が反射的に指令を出す、制御の難しい行動です。
 こればかり、面白がってやっていると大変なストレスになると思います。獲物を捕まえることが永遠にできないからです。

 そこでクリッカーでシェイピングをしていきます。目的から手段に変えていくためです。
 ピンポイントではなく、大体ドットのあるあたりに行くことをクリックして行きます。

 本能全開だとクリック音にも気がつかないかもしれません。
 興奮レベルを高めすぎないようにタイミングを見計らってクリックします。
 ふと我に返ってトリーツを探すようになってくれればしめたものです。

 本能対理性の戦いです。

 繰り返していれば理性が勝つ、つまりクリッカーが鳴る行動の方を優先し、狩猟本能でムキになる状態を減らしていけると思います。

 これは内的報酬によるモーターパターンでお困りの方にはそれ自体でとても良いエクササイズになるでしょう。

 逆に本能の目的行動ではなく、クリッカーを鳴らしてもらうための手段と認識するまでちゃんとトレーニングしてあげないとかわいそうです。

 でも本当にすごいのはそこから。

 人の手が届かない狭いところ、高いところ、遠いところにも瞬時にターゲットを出現させることができます。
 同時に、瞬時にターゲットを消失させることもできます。
 ですので、プロンプトとして用いる場合もその引き上げが非常に楽になります。

 これを活かせシーンはいろいろ思いつきますね。
 1950年代のアニマルビヘイビアエンタープライズでは、カラスをスパイの家に向かわせるために、当時としては最先端で非常に高価だったであろう器械が巨大なレーザーポインターを使用していました。

 見るだけでクリックすればタレント犬のエイムに使えます。視線コントロールですね。

 基準をクリアしているとはいえ、くれぐれも人や犬の眼に向けないよう、安全で楽しいトレーニングを目指してください。

クリケット

 クリッカートレーニングの魅力や奥の深さをずっと伝えてきて、最近は本当に広まってきたなぁというのを実感するようになりました。
 使い方は人によっていろいろですが、深く研究すればするほどその価値は上がっていくように思います。所詮「カチッ」と音がするだけの道具なので、使い方がすべてだから。

 すっかり広まったと書きましたが、実際にはだれが発明したもので、どのように動物のトレーニングに広めて行ったかを知っている方は少ないでしょう。

 こんなクリッカーを知ってますか?
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 U.S.の刻印がある総金属製のクリッカー、これは軍用で当時はクリケットと呼ばれていたようです。クリケット自体はもう少し前から子供のおもちゃとしては存在していたんでしょうね。
 第二次世界大戦のさなか、D-DAY、つまり1944年6月6日に連合国軍がナチス占領下のヨーロッパに侵攻を開始した、映画ノルマンディー上陸作戦で有名な「オペレーション・オーバーロード」の際に、暗闇で味方同士を確認しあうために用いられたもの(のレプリカ)です。

 おそらく相当数が量産され、連合軍すべての兵士が首にぶら下げていたのでしょう。1回鳴らしたら相手が2回返すというルールで識別していたらしいですが、映画の中ではたまたまドイツ兵が銃のリロードをして「カチャカチャ」と2回音を立てたために仲間と勘違いするというシーンがありました。

 当時から世界で最も高度な動物トレーニングをしていたと思われる、アニマルビヘイビアエンタープライズ(ABE)では様々な動物のトレーニングに、このクリケットを応用してきました。
 犬も猫も鳥も、その他140種類もの動物がクリケットによってトレーニングされていたのです。

 ずっと後になって、もとイルカのトレーナーであったカレン・プライヤー女史が家庭犬のトレーニングにおけるクリッカーの有用性を広め、それはClickerExpoという形で、現在まで続いています。

 一方、アニマルビヘイビアエンタープライズの代表を務めたボブ・ベイリー氏も健在で、犬のトレーナーのための「チキンキャンプ」という、鶏のトレーニングを通じてクリッカーを習得するプログラムが今でも行われています。

 どちらが先だったかといえば、もちろんアニマルビヘイビアエンタープライズでしょう。軍用や業務用のより高度なトレーニングをどんどん確立して行った組織ですから。

 幸せなことに私はカレン・プライヤー女史ともボブ・ベイリー氏とも面識があり、クリッカートレーニングの歴史を肌で感じさせてもらうことができました。そしてお二人の知識も学びながら、D.I.N.G.O.としてずっと独自の探究を続けてきているわけです。

 たかがクリッカー、されどクリッカー。本当に奥が深くて面白いですよ。

犬との(楽しい)暮らし

皆さん犬との暮らしをどんなふうにイメージしていた、あるいはしているんでしょう。
イメージ通りに犬を飼っている人ってどのくらいいるんでしょう?

あんまりイメージ先行だと、実際に飼い始めた時、予想と違うことに戸惑ったり焦ったり。

先に犬のことを良く学んでから犬を迎えればだいぶ違うと思うんですが、なぜか人は犬を第一印象で決めてしまうことがほとんどです。見てもわからないから、しつけでどうにでもなると思うから、というのがその理由かもしれないけど、15年前後共に暮らすパートナーを選ぶにしてはあまりに無謀です。
ペットショップで「可愛いから」衝動買い、も、シェルターで「かわいそうだから」迎えてしまうのも、どうなんだろうって思います。

極端な例は、犬と一緒に活発に屋外でのアクティビティを楽しみたい人が、おとなしい犬を迎えてしまう、あるいは逆におとなしい方がとても活動的な犬を迎えてしまう。
これ笑い話では済まないくらい大きなストレスを抱えることになりますね。

いわゆる「ミスマッチ」です。

日本では特に「終生飼養」が強く叫ばれているので、良い人ほど、ミスマッチのまま暮らしていたりします。お互い不幸な状態です。
犬を捨てることが良くないのであって、飼育放棄イコール捨てる、ではありませんから、よりマッチングするペアを模索するような活動があっても良いような気がするんですが、どうも声高に訴えるには時期尚早なのかな、なんて思っています。

家族で旅行に行きたいのにフェラーリを買ってしまった。サーキットでスポーツ走行がしたいのに4ドアのファミリーセダンを買ってしまった。車ならミスマッチはわかりやすいし、下取り交換もありですが、こと生命の問題になるとミスマッチであっても終生飼養だ、ってことになるので、ますます最初の犬選びは慎重に、とお伝えするしかありません。

犬種特性やら、早期社会化やら、犬を迎えるために必要な知識や情報は山のようにあります。よい情報も悪い情報もあるでしょう。だから勉強が必要なんだと思います。
ただこういった勉強は犬を好きなら苦痛ではなく、むしろわくわくする楽しいものになるはずです。

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ほとんど面識のない3頭が並んで写真を撮っています。手前からモネとプリンちゃんとビルくんです。
3頭は仲良しでもなければいがみ合う関係でもありません。それでもこんなに寄り添えるのはそれぞれの犬がそれぞれの飼い主を完全に信頼しているからでしょう。「この状況を飼い主は把握しており、だから私は安全なはずだ」と犬たちは思っているに違いありません。
タレント犬クラスでは定番のセッションですが、安全管理をしながらこういう経験、つまりなにも事件は起こらなかったという経験を積み重ねることで、他犬を受け入れやすくなるのだと思います。
犬同士遊ばせようとするのは、仲良しになるか天敵になるか、どちらにしても興奮するシチュエーションなので、ドーパミンやらアドレナリンやらがドバっと出て、興奮症になってしまいます。

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茂原クラスの犬たちはすでに面識があり、ある程度慣れはいますが、それでもこんなに並んで記念写真を撮ることはあまりないので、いささか緊張気味。特に飼い主さんが緊張していれば余計にそうなります。
それでもみんな頑張って桜の下で素敵な写真が撮れました。
ここで褒めてあげたいのは他犬との関係ではなく、それぞれの犬がそれぞれの飼い主を信頼したことなんです。
大事なのは、そばに犬がいてエキサイティングな事が始まるのではなく、何も起きない事。

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モネとはルフトが子犬のころからの関係。同居はしていませんがよく合う仲です。
ルフトの成長に合わせてモネも上手に付き合ってくれました。
こんな接近した状態で一緒にご飯を食べるというのは実はかなり危険なこと。よい子はまねしないでくださいレベルです。もちろんこの2頭は問題ありません。もめたこともないし、緊張状態にもなりません。
それはなぜか?そしてそんな状況が普通ではないのはなぜか?犬目線で考えれば明白なんですが、人はすぐ擬人化して人間のルールで犬の関係を推し量ろうとするので事故も起きてしまいます。

犬とどんな暮らしがしたいのか、どんなイメージを持っているのか。
それを実現するためにどれだけの勉強と調査をしたのか。
とても気になります。

ずっと自問自答しているテーマでもあります。
それらの努力によって、私自身、「私の愛犬は幸せです」って堂々と言える日が来るのでしょうか。
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プロフィール

のいぱぱ

Author:のいぱぱ
やっぱりサモエドが大好きです。
抜け毛がものすごくても、頑固でマイペースでも・・・。
運命の出会いで一緒に暮らすことになったルフトと、最新の科学的な理論をバックボーンに信頼関係を楽しく築いて行きたいと思います。

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