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レーザーポインターによるターゲットトレーニング

 前々から考えていた、レーザーポインターとクリッカーを合体させたトレーニングツールを作ってみました。

レーザーポインター付きクリッカー

 レーザーポインターで光のドットを映し、それをターゲットにしたクリッカートレーニングを行うためです。

 ドットを固定しておけば、 レーザーポインターで示した場所に行くというトレーニングを行うことができます。
 ドットを動かせば、プロンプトとして追いかける行動をキャプチャーできます。

 まず道具ですが、日本工業規格によるPSCマークがついたものを使います。
これは0.2mW=1mW程度の出力で、短時間なら人が直視しても問題無いとされています。おもちゃやプレゼンテーションで使われているようなものです。(ただし赤色以外は出力が強いようです)
 ちなみに2001年の法規制以前に販売されていたレーザーポインターやレーザーマーカーなどは危険な場合がありますので使用しない方がいいです。

 PSCマークのものは安全ですが、その分、日中の屋外では明るさが十分になく使えないので、屋内、もしくは暗い時にトレーニングします。

 トレーニングですが、多くの犬は初めて移動する光の点を見ると興奮して追いかけることが多いと思います。(猫もそうなので、猫用おもちゃとしての製品もあります)

 追いかけるのは狩猟本能。大脳辺縁系が反射的に指令を出す、制御の難しい行動です。
 こればかり、面白がってやっていると大変なストレスになると思います。獲物を捕まえることが永遠にできないからです。

 そこでクリッカーでシェイピングをしていきます。目的から手段に変えていくためです。
 ピンポイントではなく、大体ドットのあるあたりに行くことをクリックして行きます。

 本能全開だとクリック音にも気がつかないかもしれません。
 興奮レベルを高めすぎないようにタイミングを見計らってクリックします。
 ふと我に返ってトリーツを探すようになってくれればしめたものです。

 本能対理性の戦いです。

 繰り返していれば理性が勝つ、つまりクリッカーが鳴る行動の方を優先し、狩猟本能でムキになる状態を減らしていけると思います。

 これは内的報酬によるモーターパターンでお困りの方にはそれ自体でとても良いエクササイズになるでしょう。

 逆に本能の目的行動ではなく、クリッカーを鳴らしてもらうための手段と認識するまでちゃんとトレーニングしてあげないとかわいそうです。

 でも本当にすごいのはそこから。

 人の手が届かない狭いところ、高いところ、遠いところにも瞬時にターゲットを出現させることができます。
 同時に、瞬時にターゲットを消失させることもできます。
 ですので、プロンプトとして用いる場合もその引き上げが非常に楽になります。

 これを活かせシーンはいろいろ思いつきますね。
 1950年代のアニマルビヘイビアエンタープライズでは、カラスをスパイの家に向かわせるために、当時としては最先端で非常に高価だったであろう器械が巨大なレーザーポインターを使用していました。

 見るだけでクリックすればタレント犬のエイムに使えます。視線コントロールですね。

 基準をクリアしているとはいえ、くれぐれも人や犬の眼に向けないよう、安全で楽しいトレーニングを目指してください。

クリケット

 クリッカートレーニングの魅力や奥の深さをずっと伝えてきて、最近は本当に広まってきたなぁというのを実感するようになりました。
 使い方は人によっていろいろですが、深く研究すればするほどその価値は上がっていくように思います。所詮「カチッ」と音がするだけの道具なので、使い方がすべてだから。

 すっかり広まったと書きましたが、実際にはだれが発明したもので、どのように動物のトレーニングに広めて行ったかを知っている方は少ないでしょう。

 こんなクリッカーを知ってますか?
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 U.S.の刻印がある総金属製のクリッカー、これは軍用で当時はクリケットと呼ばれていたようです。クリケット自体はもう少し前から子供のおもちゃとしては存在していたんでしょうね。
 第二次世界大戦のさなか、D-DAY、つまり1944年6月6日に連合国軍がナチス占領下のヨーロッパに侵攻を開始した、映画ノルマンディー上陸作戦で有名な「オペレーション・オーバーロード」の際に、暗闇で味方同士を確認しあうために用いられたもの(のレプリカ)です。

 おそらく相当数が量産され、連合軍すべての兵士が首にぶら下げていたのでしょう。1回鳴らしたら相手が2回返すというルールで識別していたらしいですが、映画の中ではたまたまドイツ兵が銃のリロードをして「カチャカチャ」と2回音を立てたために仲間と勘違いするというシーンがありました。

 当時から世界で最も高度な動物トレーニングをしていたと思われる、アニマルビヘイビアエンタープライズ(ABE)では様々な動物のトレーニングに、このクリケットを応用してきました。
 犬も猫も鳥も、その他140種類もの動物がクリケットによってトレーニングされていたのです。

 ずっと後になって、もとイルカのトレーナーであったカレン・プライヤー女史が家庭犬のトレーニングにおけるクリッカーの有用性を広め、それはClickerExpoという形で、現在まで続いています。

 一方、アニマルビヘイビアエンタープライズの代表を務めたボブ・ベイリー氏も健在で、犬のトレーナーのための「チキンキャンプ」という、鶏のトレーニングを通じてクリッカーを習得するプログラムが今でも行われています。

 どちらが先だったかといえば、もちろんアニマルビヘイビアエンタープライズでしょう。軍用や業務用のより高度なトレーニングをどんどん確立して行った組織ですから。

 幸せなことに私はカレン・プライヤー女史ともボブ・ベイリー氏とも面識があり、クリッカートレーニングの歴史を肌で感じさせてもらうことができました。そしてお二人の知識も学びながら、D.I.N.G.O.としてずっと独自の探究を続けてきているわけです。

 たかがクリッカー、されどクリッカー。本当に奥が深くて面白いですよ。

犬との(楽しい)暮らし

皆さん犬との暮らしをどんなふうにイメージしていた、あるいはしているんでしょう。
イメージ通りに犬を飼っている人ってどのくらいいるんでしょう?

あんまりイメージ先行だと、実際に飼い始めた時、予想と違うことに戸惑ったり焦ったり。

先に犬のことを良く学んでから犬を迎えればだいぶ違うと思うんですが、なぜか人は犬を第一印象で決めてしまうことがほとんどです。見てもわからないから、しつけでどうにでもなると思うから、というのがその理由かもしれないけど、15年前後共に暮らすパートナーを選ぶにしてはあまりに無謀です。
ペットショップで「可愛いから」衝動買い、も、シェルターで「かわいそうだから」迎えてしまうのも、どうなんだろうって思います。

極端な例は、犬と一緒に活発に屋外でのアクティビティを楽しみたい人が、おとなしい犬を迎えてしまう、あるいは逆におとなしい方がとても活動的な犬を迎えてしまう。
これ笑い話では済まないくらい大きなストレスを抱えることになりますね。

いわゆる「ミスマッチ」です。

日本では特に「終生飼養」が強く叫ばれているので、良い人ほど、ミスマッチのまま暮らしていたりします。お互い不幸な状態です。
犬を捨てることが良くないのであって、飼育放棄イコール捨てる、ではありませんから、よりマッチングするペアを模索するような活動があっても良いような気がするんですが、どうも声高に訴えるには時期尚早なのかな、なんて思っています。

家族で旅行に行きたいのにフェラーリを買ってしまった。サーキットでスポーツ走行がしたいのに4ドアのファミリーセダンを買ってしまった。車ならミスマッチはわかりやすいし、下取り交換もありですが、こと生命の問題になるとミスマッチであっても終生飼養だ、ってことになるので、ますます最初の犬選びは慎重に、とお伝えするしかありません。

犬種特性やら、早期社会化やら、犬を迎えるために必要な知識や情報は山のようにあります。よい情報も悪い情報もあるでしょう。だから勉強が必要なんだと思います。
ただこういった勉強は犬を好きなら苦痛ではなく、むしろわくわくする楽しいものになるはずです。

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ほとんど面識のない3頭が並んで写真を撮っています。手前からモネとプリンちゃんとビルくんです。
3頭は仲良しでもなければいがみ合う関係でもありません。それでもこんなに寄り添えるのはそれぞれの犬がそれぞれの飼い主を完全に信頼しているからでしょう。「この状況を飼い主は把握しており、だから私は安全なはずだ」と犬たちは思っているに違いありません。
タレント犬クラスでは定番のセッションですが、安全管理をしながらこういう経験、つまりなにも事件は起こらなかったという経験を積み重ねることで、他犬を受け入れやすくなるのだと思います。
犬同士遊ばせようとするのは、仲良しになるか天敵になるか、どちらにしても興奮するシチュエーションなので、ドーパミンやらアドレナリンやらがドバっと出て、興奮症になってしまいます。

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茂原クラスの犬たちはすでに面識があり、ある程度慣れはいますが、それでもこんなに並んで記念写真を撮ることはあまりないので、いささか緊張気味。特に飼い主さんが緊張していれば余計にそうなります。
それでもみんな頑張って桜の下で素敵な写真が撮れました。
ここで褒めてあげたいのは他犬との関係ではなく、それぞれの犬がそれぞれの飼い主を信頼したことなんです。
大事なのは、そばに犬がいてエキサイティングな事が始まるのではなく、何も起きない事。

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モネとはルフトが子犬のころからの関係。同居はしていませんがよく合う仲です。
ルフトの成長に合わせてモネも上手に付き合ってくれました。
こんな接近した状態で一緒にご飯を食べるというのは実はかなり危険なこと。よい子はまねしないでくださいレベルです。もちろんこの2頭は問題ありません。もめたこともないし、緊張状態にもなりません。
それはなぜか?そしてそんな状況が普通ではないのはなぜか?犬目線で考えれば明白なんですが、人はすぐ擬人化して人間のルールで犬の関係を推し量ろうとするので事故も起きてしまいます。

犬とどんな暮らしがしたいのか、どんなイメージを持っているのか。
それを実現するためにどれだけの勉強と調査をしたのか。
とても気になります。

ずっと自問自答しているテーマでもあります。
それらの努力によって、私自身、「私の愛犬は幸せです」って堂々と言える日が来るのでしょうか。
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久しぶりのKENキャンプ

もうすぐケン・マッコート ウィークが始まる。

始まりは私の企画した「ザ、サバイバル キャンプ」からだった。
ガスも水道も電気もない無人島で、愛犬と一緒にテント生活をする。火をおこし、その辺に生えているものを食べ、野宿する中で愛犬との関係を深めることが狙いだった。

そのためにサバイバルの専門家を雇い、船をチャーターし、島の所有者から許可を取って、万全の態勢でケンを招いた。

はじめての日本がいきなり無人島生活ということで、ケンもずいぶんビビったと思う。
こんな突拍子もない企画に賛同し、来てくれたのもほとんどがプロの連中だった。

ところが台風の影響で集合はしたものの島に渡れなくなってしまった。
みんな集まったので、いまさら中止はできない。
なんとかその日その日の宿泊場所、食事場所、そして勉強の場所とメニューを考えていかなくてはならない。

そこから主催者である私たちのサバイバルが始まった。

すごく大変だった。でもテント生活も、ほぼプライベートビーチでのオフリードセッションも。キャンプファイヤーも体験できた。犬連れでフェリーにも乗った。

ケンともとても仲良しになった。彼はこの状況を非常にエンジョイしていた。
以来、親しい関係が続いている。
無人島はさすがにリスクが高いので、あれ以来企画していないが、ケンキャンプは毎年開催し、D.I.N.G.O.イベントの中でも特に人気のあるメニューになった。

が、いろいろ忙しくてしばらく開催していなかったケンキャンプを、ようやく再開できることになった。
2がtづ11日から15日まで、セミナーとワークショップを開催する。

楽しみだ。きっと参加される方の満足度も高いものになると思う。
ケンは勉強熱心だから、また新しい情報をどっさり持ってきてくれるだろう。
大きな声で熱く語る、知的な熱血漢、ケン・マッコートに早く会いたい。

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忍者屋敷に行ったときケンと奥様のマリアン。

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ケンもご満悦。

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タロジロの銅像にターゲットトレーニングする男、ケン。

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このころのケンキャンプ参加者は今も全国で活躍している。

2014D.I.N.G.O. タレント犬キャンプ

D.I.N.G.O.設立以来のテーマである、タレント犬(Filmdog)キャンプを久しぶりに開催しました。
以前との大きな違いは、参加者のほとんどが実際の仕事経験を持つタレント犬であったこと。
10年続けてきた甲斐があって、D.I.N.G.O.で習われた方々が現在たくさん活躍してくれているのがとてもうれしく、感無量でした。

今回の会場は山中湖のワフさん。ちょうどオーナー会社が変わるタイミングで予約時の混乱が多々ありましたが、行ってしまえば快適な施設でトレーニングに専念出来ました。
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仲間の映像ディレクターKoziさんが本業のセンスをいかんなく発揮して、本番さながらの緊張感ある撮影トレーニングを行うことができました。
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前回は初級の方と上級の方、2グループに分かれてもらって別メニューで進めましたが、今回は上級一本だったので、基礎のトレーニングではなく、実際の仕事に即した演技課題をそれぞれでアイデアを絞りながら自分たちなりに表現していき、Koziさんがそれにディレクター目線でリクエストを出すという形式で進めることができました。

かなり難易度の高い犬同士のセッションも参加者はハイレベルにこなしていきます。
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このパターンはぜひまたやりたいと思います。次回はオープンロケという設定がいいなぁ。犬が登場する映画の名シーン再現という課題も楽しそうだなぁと思っています。

そうそう、恒例の年末ルナお預かりが始まりました。今回は少し長めで1月7日までいる予定です。ルフトともモネとも全く問題なく同居できるのは、まるで家族のようで安心です。
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2014台湾キャンプ

台湾では初になるD.I.N.G.O.スキルアップキャンプを開催しました。

台北から1時間くらいで行ける素敵なリゾートエリアに、開催地の犬連れホテルがあります。
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「Dog Howls」 BED & BREAKFAST
文字通り付くのは朝ごはんだけですが、広いドッグランもあり、とても快適でした。
D.I.N.G.O.台湾のセナが全てセットアップしてくれました。ありがとうセナ。

ここに台湾D.I.N.G.O.のメンバーの中でも熱心な方々が集まってくれました。
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そして日本からも三重の山越ITほか、熱心な方が参加してくれました。

ワンデーのワークショップとは別格の楽しさと、連帯感、そしてスキル向上がお泊りキャンプの魅力です。
犬も環境に慣れていくため、疲れは溜まりますが変な力が抜けてのびのびと学んでくれます。

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なぜかノーズワークのリクエストが多かったので、インドアで小石を使っての臭気選別、およびアラートの出し方からレクチャーします。
みんなリラックスしていて楽しそう。
フラワーポッドサーチも体験してもらいました。
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今やっているのはセナのアシスタントであるVIVIですね。トレーニングが大好きでアジリティやフリースタイルもやっています。それに鳥も飼い始め、トレーニングをしているとか。それでこそD.I.N.G.O.メンバーです。

気持ちの良いドッグランでは、D.I.N.G.O.で人気のゲームであり、災害救助犬の基本を応用した「ママレスキュー」をやりました。
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フェンスの中にある3つの遮蔽物のうち、どれかに飼い主さんに隠れてもらいます。その間スタッフが犬の関心を引き、どこに隠れたかは見えないようにしておきます。
準備が整った頃、若干不安になっている犬を放し、飼い主を探してもらいます。
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トイプーのモモちゃんが、ダッシュでママのところに向かっています。

教えていなくても、はじめからちゃんと風下に回って浮遊臭を取り、ジグザグに飼い主のいるところに向かっていく、優秀な子もいるし、あくまでも目で探してしまって、なかなか見つけられない子、そして固まったまま鳴いて飼い主を呼ぼうとする子まで様々ですが、30秒~1分経過した時点で初めて飼い主が声を出しても良いというルールで自力で見つけてもらうようにしています。
見つけた後の愛犬のうれしそうな顔と、それがうれしい飼い主さんの笑顔が感動的な、大好きなゲームです。

夕飯は地元の食堂にみんなで行きました。観光ガイドには決して載っていないような食堂で見たこともないようなローカルフードを食べました。たいていは非常においしくて、しかもおなか壊したことも一度もないので、かなり台湾のB級グルメファンです。
楽しい日々はあっという間に終わり、毎年やろうということになりました。

そうそう、D.I.N.G.O.は台湾では大変な人気なんですが、Tタッチもかなり盛んになっていて、今回もちょうど旧知のデビー・ポッツとタイミングが合い、お互い忙しい中、何とか夕食をともにできました。
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デビーも元気そうでなにより。
そろそろ日本のD.I.N.G.O.でもなんかやろうという話になりました。楽しみです。

研修生

今日まで4日間、宮城県から熱心な研修生が来ていた。
訓練士資格を持つSさん。ネットでさんざん調べたあげく、D.I.N.G.O.での研修を決意しコンタクトして来てくれた。会ったこともない人たちに習いに来るのは、さぞドキドキしたことと思う。
お金もかかる。
それでも来てくれた。

ちょうどD.I.N.G.O.本部では、研修初日からクリッカー塾、インストラクター試験、別の方の研修、さらにインストラクター候補生の研修、犬通3,4、そして上級鳥クラスとメニューが目白押しだった。

Sさんは犬だけではなく、セキセイインコも飼っているのでまさにタイムリーな情報がすし詰め。

さぞ脳味噌が疲れたと思うが、居眠りひとつせずにずっと真剣に学んでくれた。
研修中に同じ志を持つ仲間もずいぶん増えたと思う。

真剣な方を前にすればお伝えする方も力が入る。地元で活動するための情報をどんどん吸収してほしいと願う。
今後のことは改めて相談するとして、この4日間の刺激をゆっくりと吸収し役に立ててもらえれば幸いである。

私には東北方面に信頼できる仲間ができたことが何よりうれしい。

インストラクター誕生

先日以前からの知り合いがD.I.N.G.O.インストラクターテストに合格した。

「知り合い」と書いたのは、生徒さん、というにはあまりにも長いおつきあいであり、しかしお友達というにはちょっとおこがましいから。
この方、途中ブランクは有ったが、6年がかりで合格された。
確か最初はハイパーなチョコラブさんに悩んで、D.I.N.G.O.にいらしたのだと思う。
食餌から様々なアクティビティまで幅広い興味で、いろいろ研究されている。

D.I.N.G.O.のインストラクター制度はアマチュアのクラスからステップアップして行くシステム。
犬を飼う前のプレオーナー、そして飼ってからのイントロダクトリー、ノービス、アドバンス、マスターと進み、そこからプロコースのアシスタントインストラクター、インストラクターと続いている。
それぞれのクラス修了時には筆記とハンドリングテストが有る。

一つの壁はマスターハンドラーテスト。
この壁を越えたところから視点を180度変えて、習う立場から教える立場の勉強をしていただく。

強い好奇心と情熱がなければ難しい。
たいていどこかで壁にぶつかる。
そしてそれぞれの壁を乗り越えたところから、自信が生まれ、素晴らしい指導者になっていく。

そういった方々の合格した時の笑顔は、私にとって何物にも代えがたい喜びだ。

この方も今後、D.I.N.G.O.が目指している人と動物の共生の在り方をどんどん広めていってくれるはず。

そして今日も遠方からインストラクターを目指す若い方が研修に来ている。
期待と不安。
それが徐々に好奇心に満ちたよろこびに変わっていくさまがうれしい。

みんな頑張ってる。

違うけど同じ。同じだけど違う。

 トレーニングのことを仕事にしていると、もう本当にいやっていうほど、日本犬と洋犬は違う、とか犬と鳥は違うとか、聞かされてきた。
そこそこ有名な先生方でさえそうおっしゃる。

ちょっと詳しい人は、犬種の違いを強調する。

確かに犬種の違いは有る。人の関わった純血種では作業目的に合わせて気質の一部を強化されていたりする。
確かに日本犬と洋犬は違う。それは主に繁殖するブリーダーの傾向だ。現にアメリカのシバやアキタは洋犬っぽい。
そして犬と鳥はもちろん違う。ほ乳類と鳥類という、おおもとの種から違う。

でも同じなんだ。地球上の動物は基本みんなおんなじ。捕食と繁殖と危機回避。種として生き延びること、繁栄することがすべての生物の目指すところ。

クリッカートレーニングを代表とする報酬ベースの動機付けによるトレーニングは、動物が学習する動機をしっかり与えられれば、成り立つ。

違いが有るのは、主に生活環境による注意深さの差、好奇心の差だと思う。

たとえば、犬と鳥は違う、と言ってしまう人は犬をひとくくりにしがちだ。
鳥の種類を詳しく語る人は、同種を同じ性格だと思いこむ。

しかし、同じ種でも臆病な個体もイケイケの個体もいる。好奇心のレベルにも差が大きい。
個性豊かだ。

犬種、鳥種で分けて個性を見失うくらいなら、全ての動物を個性だけで括っていった方がはるかにその個体を理解できると思う。
もちろん予備情報として、種の特性や、自然界での生態など、知っていた方がいいと思うが、その情報に惑わされず、個体を良く観察して個性を理解することが一番大事だと思う。

違うけど同じ。同じだけど違う。今度ウサギのトレーニングにも関わらせていただくことになった。猫のワークショップも開催させていただく。
犬、鳥、猫、ウサギ。それぞれの個体の、個性を理解しトレーニングすること、そのポイントをお伝えすることがとても楽しい。

ひとときのよろこび

愛知少年院から依頼された講話の仕事に先立ち、浜名湖畔の素敵な犬連れペンションに前泊してつかの間の休息を取る旅に行ってきました。
日が落ちる前に着こうと、東名をひた走り、海が見えるのでお気に入りの由比PAで小休止。
由比PAにて
天気の良い初秋は本当に気持ちいいですね。
夏の間ずっとハァハァ言っていたルフトも心地よさそう。そしてモネは相変わらず無愛想(笑)

それほど遠くはないので、難なく日が高いうちに目的のペンションに到着し、さっそく目の前のビーチで遊びます。
ルフト海を見る
湖面を眺めたり、
桟橋のモネとルフト

浮き桟橋で揺らいだり、
ルフトレジャー
すっかりレジャー気分。

日が暮れておいしい夕食を食べた後にも桟橋で記念撮影。

暗闇の桟橋で

そして翌朝は朝日を拝んで、
夕陽のルフト
疾走して、
ルフト疾走

ひとときのよろこびを共有してきました。

ヒトと動物の共生とか、真の動物愛護とか、最近深く考えることが多いのだけど、こうやって一緒に旅をして一緒に遊ぶ、私もルフトも幸せな時間が原点なんだとつくづく思うのです。
プロフィール

のいぱぱ

Author:のいぱぱ
やっぱりサモエドが大好きです。
抜け毛がものすごくても、頑固でマイペースでも・・・。
運命の出会いで一緒に暮らすことになったルフトと、最新の科学的な理論をバックボーンに信頼関係を楽しく築いて行きたいと思います。

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